International Society of Life Information Science (ISLIS)

Journal of International Society of
Life Information Science (ISLIS)

37巻、1号、2019年3月号

要旨 

 


[原著論文]Peer-reviewed  

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.17)
ピラミッド型構造物と人間の無意識との関連による 未知なる遠隔作用の発見   (2018年11月24日受付; 2019年2月3日最終修正原稿受理)                                                                                                                   

高木 治1、坂本 政道2、世一 秀雄1、小久保 秀之1、河野 貴美子1、山本 幹男 1
1国際総合研究機構(IRI) 情報研究センター
2潟Aクアヴィジョン・アカデミー
要旨:
 我々は2009年4月以来、ピラミッド型構造物(pyramidal structure: PS)の内部に人間が入り瞑想したことによって、PS頂点に設置された生体センサ(キュウリ果実切片)に影響を及ぼす作用(非接触効果)の研究を行っている。その結果は以下である。(1) 生体センサに対する非接触効果が非常に高い統計精度で検出された(p = 3.1×10-10;ウェルチの両側t検定、これ以降のp値も同様)。(2) PSが関与した遅延を伴う特異な非接触効果が発見された(p = 3.5×10-6)。(3) 瞑想後、非接触効果が検出される条件が特定された(p = 2.2×10-4)。本論文の目的は、PS内部に人間が入り瞑想を行う数時間前、PS頂点に設置された生体センサに対する未知なる遠隔作用の存在を明らかにし、その特性を解明することである。実験の結果、次の5つの点が明らかとなった。(1) PS内部に人間が入り瞑想を行う数時間前、PS頂点に設置された生体センサに対する未知なる遠隔作用が高い統計精度で検出された(p = 1.1×10-3)。(2) 未知なる遠隔作用はPS頂点に設置された生体センサに対してのみ検出され、較正基準点に設置された生体センサに対しては検出されなかった(p = 2.8×10-5)。(3) 人間がPS内部ではない別の場所で瞑想を行う数時間前、生体センサに対する未知なる遠隔作用は検出されなかった(p = 4.1×10-2)。(4) 未知なる遠隔作用は、PS内部から人間が出た後の非接触効果(作用)とは異なる性質の作用である可能性が示唆された。(5) 未知なる遠隔作用は、人間が目覚める前(睡眠状態)と目覚めた後(覚醒状態)のいずれにおいても、明確に検出することができたが、その中間の、人間が目覚める時間帯においては、その作用は最小値を示した(p = 3.7×10-3)。結論として、人間が目覚める時刻の前後、すなわち睡眠状態から覚醒状態へと推移する時間帯で、未知なる遠隔作用の時間変化が、目覚める時刻で最小値ゼロをとる下に凸の2次関数的な変化を示すことを発見した。
Keywords: ピラミッド、人間、瞑想、意識、無意識、非局所作用、生体センサ、キュウリ、ガス  

 


[事例研究]Peer-reviewed  

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.29)
ノルウェーのキュウリのbio-PK反応性試験  (2018年11月8日初稿受付: 2019年1月6日最終稿受理)            

小久保 秀之
国際総合研究機構(IRI)
要旨:
   ノルウェー産のキュウリ(Agruk)を日本に持ち帰り、bio-PK反応性の予備実験をガス測定法にて実施した。1試行30分のヒーリング(bio-PK)施術をノルウェー産キュウリと日本産キュウリに2試行ずつ実施し、ブランク条件(有効データ4試行)の結果と比較した。結果、ノルウェー産キュウリのJ値は−0.230、日本産キュウリのJ値は−0.200となり、両者はほぼ同じ値を示した。また、ヒーリング条件全体では平均J = −0.215、ブランク条件全体では平均J = 0.045となり、両者の間に有意差が生じた(p = 0.0034)。ノルウェー産キュウリは日本産キュウリと同等のbio-PK反応性を持つと考えられた。また追加分析の結果、ヒーリング施術地点から12m離れた較正基準点にもbio-PKの作用が及び、そのbio-PK場の波長は20cm程と推定された。
Keywords: 日本産キュウリ、ノルウェー産キュウリ、agruk、bio-PK反応性、ガス測定法、bio-PK場    

[理事長講演]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.41)
世界一の「潜在能力科学研究所」創立を目指して国際生命情報科学会(ISLIS )の23年半の歩み                             

山本 幹男
国際生命情報科学会 (ISLIS) 理事長・ 編集委員長
国際総合研究機構 (IRI) 理事長
要旨:
国際生命情報科学会(ISLIS) は、その兄弟組織でこの分野の幾多の研究成果を挙げてきた国際総合研究機構(IRI)と共に、2019年春には大きな一歩を踏み出す。(仮称) IRI -「潜在能力科学研究所」を創立し、この分野の世界一の研究所に育てる計画なので、構想、研究者や多方面の人材の推薦等で皆様のご協力を得たい。ISLISの設立趣意は、物質中心の科学技術から、こころや精神を含んだ21世紀の科学技術へのパラダイム・シフト(枠組革新)を通じ、真理の追究と共に、人間の「潜在能力」の開花により、健康、福祉、教育と社会および個人の幸福や心の豊かさを大きく増進させ、自然と調和した平和な世界創りに寄与する事である。ISLISは1995年の創立来23年半、現在の科学知識の延長で説明が出来そうも無い不思議なこころや精神を含んだスピリチュアル・ヒーリング、気功、潜在能力、超心理現象などの存在の科学的実証とその原理の解明を追求して来た。この間に生命情報科学シンポジウムを、海外での開始や11回の合宿形式を含め47回主催し、英文と和訳付の国際学会誌Journal of International Society of Life Information Science (J.Intl.Soc.Life Info.Sci. or Journal of ISLIS )を年2号定期発行し、総計6,000頁以上の学術論文と発表を掲載し続けてきた。また単行本「潜在能力の科学」も出版した。この間に、不思議現象の存在の科学的実証には多くの成果を挙げた。しかし、その原理の解明は世界的にもほとんど進んでいない。本学会は現在、世界の11カ所に情報センターを、15カ国以上に約190人の会員を、擁している。今回の第47回生命情報科学シンポジウムは、「未知なる科学への挑戦」を主テーマとして掲げ、2019年3月9・10日(土・日)に東邦大学医学部にて主催する。次回第48回は2019年8月23-26日(金-月)に初めて東北、野口英世の古里の近くの福島県耶麻郡猪苗代町の猪苗代観光ホテルにて主テーマ「全人的医療・科学の再考と新たな視点」で合宿形式にて主催し、演題募集中である。また「統合医療分科会」(代替医療を含む)も発足した。これらの場でも、上記「潜在能力科学研究所」創りも皆で大いに議論してもらいたい。
Keywords: 潜在能力科学研究所、国際総合研究機構、IRI、国際生命情報科学会、ISLIS、科学、不思議、世界観、潜在能力、催眠、心、精神、脳、スピリチュアル、代替医療、CAM、統合医療、IM、精神神経免疫、超常現象、超能力、超心理、気功、ヨーガ、瞑想、幸福

[研究発表]Without Peer-review  

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1, p.45)
 低分子化フコイダン(LMF)を中心とした統合医療3日断食、糖質制限食、星状神経節ブロック(SGB)での、肺癌、乳癌 大腸癌2症例、良性腫瘍症例改善報告

西本 真司
西本クリニック
要旨:
自律神経系、免疫系、ホルモン内分泌系の中枢がある視床下部の血流を星状神経節ブロックで改善させる場合に、漢方薬やLMF、糖質制限食を組み合わせた。特に経過良好な5症例(61歳女性、気管支カルチノイド;63歳女性、U期乳癌;28歳男性、V期大腸癌骨盤内転移症例;87歳女性、U期肺癌;73歳女性、T期大腸癌)に関して、若干の考察を加えて報告する。
Keywords:
乳癌、気管支カルチノイド、大腸癌、糖質制限食、LMF、SGB 

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1 , p.49)
匂刺激に対する生体の経時的変化の研究     

足達義則1、笹山雪子2、上杉一秀3     
1中部大学
2豊橋創造大学
 3 熊本高等専門学校
要旨:
人にとって適度なストレスは仕事や勉強などの効率を上げると言われるが、許容できるストレス強度には個人差があるとともにストレスの種類に依存している。ストレスの病気原因説が唱えられているが、様々なストレッサーから逃れられない現代社会においては、いかにストレッサーとうまく付き合うかが健康な生活を送るうえで非常に大きな課題と言える。  本研究では2種類の匂いに対する生体反応を、指尖脈波を通して経時的に検討することで、ストレッサーの生体に及ぼす影響が個性ある被験者でどのような経時的変化となって表れるかを、R-R間隔のウェーブレット解析によって検討した。
Keywords:
香り、指尖脈波、LF/HF、ウェーブレット解析、経時的変化   

[特別講演]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1 , p.57)
Germanium in Mineral and Curative Waters. Geochemical Study andPotential Medical Benefits  

 Dariusz Dobrzyński 1、杉森 賢司 2
                          1 University of Warsaw, Faculty of Geology
2Toho University, Faculty of Medicine
要旨:
Germanium is looked at to be non-essential element, however still little is known about its significance for living organisms. The germanium element is not regulated and discussed in drinking-water standards and reports. Nonetheless, germanium seems to be a very promising microelement that could be used in prophylactics and therapy of such diseases as cancer, AIDS, autoimmune diseases, arthritis or senile osteoporosis. In East Asian countries germanium is appreciated and its significant role in health care is assigned. In Europe, medical interest in germanium, including use of germanium-rich mineral/curative water, is negligible. Germanium is a trace element in the Earth’s crust, with mean mass fraction concentration of 1.4 ppm. In natural waters this element occurs usually in concentrations of three–five orders of magnitude less than in the crust rocks. Highest germanium concentrations in groundwater are found in some of thermal and/or mineral waters, and reach up to 300 ppb, but even in these waters germanium rarely exceeds 50 ppb.
Keywords:germanium, mineral water, curative water 

 

[解説]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1 , p.58)
 Dr. Dariusz Dobrzyński 氏の特別講演について 〜ゲルマニウムが生体に与える影響を健康科学的観点から考察する〜

 杉森 賢司
                          東邦大学医学部
要旨:
ゲルマニウム(Ge)の生体に対する重要性はまだ良く知られていない。一方,有機ゲルマニウムはガン,免疫性疾患,関節炎,老人性骨粗鬆症のような疾患の予防および治療に使用できる可能性を含んでいる。しかし,無機ゲルマニウムの長期間の摂取は器官の機能不全および死亡を含む深刻な副作用をもたらす事も知られている。つまり,ゲルマニウムの作用機序や安全で有効な用量についてのより詳細な研究が求められている。
Keywords:ゲルマニウム,健康科学

[講演]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.59)
新しい水の科学−水と情報とエネルギー                                                                                                                                                             

   根本 泰行
IHM総合研究所・顧問
要旨:
主として21世紀に入ってから、水に関する科学が大きく進展した。地球上の生物は水なしには活動できないので、そういう意味において、水は重要であると、誰もが認識しているが、最先端の水の科学においては、従来考えられていたよりもはるかに積極的に、生命活動において水が関与していると考えられるようになってきている。 最新の科学的な研究結果によれば、水には以下の2つの働きがあると考えることができる。 1. 水は情報を記憶し、伝達する。 2. 水はエネルギーを貯蔵し、変換する。 水が持っているこれら2つの働きは、この宇宙において生命が誕生するに当たって、生命活動を支える上で、もっとも基本的な特性として活用されたのではないか、あるいはもっと言えば、これらの水の働きに基づいて、生命体は初めてこの宇宙において誕生することができたのではないか、とも考えることができる。 当講演においては、水が持っている上記2つの働きに関する科学的な研究について解説するとともに、情報医学・情報薬学におけるその応用例についてもご紹介しつつ、改めて水の重要性について、議論したいと考えている。:
Keywords: 水、水の情報記憶、エネルギー、情報医学、情報薬学、波動水


[一般講演]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.60)
ピラミッド型構造物の未知なる機能の実験による発見 ━人間との関わりによって生じた現象から━                                                                                                                    

高木 治1、坂本 政道2、世一 秀雄1、小久保 秀之1、河野 貴美子1、山本 幹男 1
1国際総合研究機構(IRI) 情報研究センター
2潟Aクアヴィジョン・アカデミー
要旨:
 我々はピラミッド型構造物 (pyramidal structure: PS)の未知なる機能について2007年以来、10年以上研究を続けている。PSの研究方法として、PS内部に人間が入り瞑想をした。PSの未知なる機能を明らかにする手段として生体センサ (キュウリ果実切片) から放出されたガス濃度を測定した。生体センサの作成、設置、ガス測定は、零点同時補正法 (simultaneous calibration technique: SCAT) によって行われた。この方法は、国際総合研究機構 (International Research Institute: IRI) で研究開発され、ヒーラーに関わる多くの研究成果を得ている。ピラミッド型構造物と人間とが関わった実験において、次の2つの結果を得ることが出来た。(1) PS内部に人間が入り瞑想する以前に、人間の無意識 (フォースタイプI) による、生体センサに対する未知なる遠隔作用 (6 km以上離れた地点から生体センサに対して、遅延なく影響を与える長距離の非接触効果) が検出された。(2) PS内部に人間が入り瞑想した後、人間による何らかの影響 (フォースタイプII) によって、10日間以上続く遅延を伴った非接触効果 (PS内部の人間と生体センサの距離が0.5 mである短距離の非接触効果) が検出された。これらの結果から、ピラミッド型構造物と人間との関わりにおいて、人間から発する2つの異なるフォースタイプがあることが示唆された。しかし、2つの異なるフォースタイプは、PSによって変換速度は異なるが、どちらも生体センサが反応し得るエネルギーに変換され、非接触効果として検出されたと考えられる。ピラミッドパワー (効果) に関する学術的な研究において、統計的に高い有意性のある実験データを示した研究は、我々のグループ以外では皆無である。
Keywords: ピラミッド、瞑想、無意識、非接触効果、遠隔作用、遅延、生体センサ、キュウリ、ガス 

[研究発表]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.72)
Creating a Database of Children's Prenatal and Perinatal Memories                                                                                                                                                            

   Masayuki OHKADO
Chubu University
要旨:
 From research due over the last 50 years, faculty members of the Division of Perceptual Studies at the University of Virginia have been collecting more than 2,600 cases of children claiming to have past-life memories and these data are being coded and entered into a database with more than 200 variables. This database enables researchers to apply various statistical analyses and some important findings were published based on them. This article reports an ongoing project that is creating a database with a similar concept about children reporting prenatal and perinatal memories. However, the data are not limited to those obtained from children with past-life memories, but include those from children with one or more of the four types of memories: (i) birth memory; (ii) in-the-womb memory; (iii) life-between-life memory; and (iv) past-life memory. The expansion of the target data reflects the view of researchers that analyses of these memories, all unexplainable in general physical terms, shed new light on children's psychology.

[研究発表]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p76)
呼吸の外的制約がMeditative Movementの所要時間、美的評価に及ぼす効果                                                                                                                                                            

   伊藤 精英
公立はこだて未来大学
要旨:
瞑想的運動(meditative movement)とはヨガ、太極拳、健康気功など体の動きを伴う瞑想の総称である。これらの身体技法においては呼吸のコントロールが重要である。そこで本研究では、健康養生気功(内養功動功)の一つである「易筋行気法」を対象に、呼吸の制御と演舞の質的・量的評価との関係を、一人称研究アプローチにより検討した。2回の易筋行気法演舞の間に、異なる健康養生気功(太極気功十八式)を行った。太極気功十八式は吸気・呼気時間が定められており、演舞者は指示通りに呼吸することを求められる。この太極気功十八式の前後で所要時間、吸気時間、体の回転の程度、演舞の美的印象について前後の演舞を比較した。比較にあたっては動画記録及び学習者・指導者の言語記録を用いた。その結果、(1)演舞の所要時間を比較したところ、規則的呼吸(太極気功十八式)を行う前の演舞に比べ、後の演舞の方が所要時間が長くなった。(2)動画及び指導者の言語記録から規則的呼吸の後の方が演舞としての美的評価が高くなった。(3)学習者の言語記録から規則的呼吸の後の方が気の感覚が強くなった。これらのことから、呼吸の外的制約が瞑想的運動の質を向上させることが示唆された。
Keywords: 健康気功、meditative movement、呼吸、一人称研究、ケーススタディ、気の感覚

[会長講演]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.77)
東日本大震災の遺族のスピリチュアリティ   『私の夢まで、会いに来てくれた』における夢の語りのテキストマイニング分析

   いとう たけひこ、宇多 仁美
和光大学
要旨:
[目的]夢は死者の遺族が本人と出会える機会である。災害の遺族が離別後にどのような夢を見て死者と再開するのかを明らかにする。[方法]夢のインタビュー記録『私の夢まで会いに来てくれた』に掲載された27篇の夢についての語りをテキストマイニングにより分析した。[結果] 出現頻度が多かった単語は、名詞では「一緒」「震災」「津波」「夢」などであり。動詞では「いる」「一緒」「思う」「見る」「言う」であった。また、係り受けの頻度分析や評判分析により夢の特徴が明らかにされた。[考察] 遺族や現在も行方不明の人、友人などがそこに一緒にいる気配を感じ、会うことができたり、この世とは思えない体験、魂や本来見えないものの世界を体感し、夢と現実のはざまを実感することから遺族は亡くなった人との魂とともにこれから未来に向かう目的や新たに芽生えた価値観、前向きに生きる方向性を示した。
Keywords: 夢、東日本大震災、テキストマイニング、津波、スピリチュアリティ、あいまいな喪失

[研究発表

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.83)
ツイッター記事のインパクトに対する反応の時系列解析: サイバー空間の動的特性から集合的な意識や無意識を理解する試み                                                                                                                                                                

   栗田 昌裕
群馬パース大学
要旨:
大小の集団からなる階層構造が比較的明瞭だった従来の社会では、多数の人々による情報の交流が社会にもたらす影響は、主に社会学や心理学の概念で分析することができた。その際には、個人の自覚可能な意識現象以外に、個人を超えた集合的意識や、特定の集団を超えた集合的無意識の概念も活用された。しかし、SNSの例で分かるように、現代のサイバー空間の中では、いかなる社会の枠組みも超えた交流が容易にかつ迅速に行える。したがって、「メッセージが拡散され、多様な反応が起きる現象」の分析は、情報科学の課題として、より新規な方法で行う必要性が生じている。その際には、要素的な発信に対して、不特定集団による反応の時間的経過と規模を定量的に把握することが重要である。特に、初期の短時間の反応から、最終的な反応の度合いが予測できることは有用と思われる。そこで、本論文では、ツイッター記事に対する反応の時系列を、複数の変数に注目して統計的に解析した。反応の度合いが特定の範囲に収まった筆者の40件の記事に関して、まず、0分からt分までの合計を示す3つの変数を調べた:記事が閲覧された回数Ntと、”いいね(Likes)反応"の回数Gtと、リツイートされた回数Rt。ここでt(分)は投稿後に経過した時間である。さらに、それらを用いてPt=Gt+Rtという変数と、Gt、Rt、PtのNtに対する百分率を含む4つの変数とを導いた。以上の8つの変数の値に対して、4つの定常状態の値(最終値と呼ぶ)との間の相関係数を調べた。 その結果、最終値は、t=10と20の場合には、百分率による変数の値とよく相関し、t=30の場合には、百分率でない変数とよく相関した。以上から、反応の最終値は、発信直後の百分率による特定の変数でよく予測できることと、30分経過すると変数自体の予測に関する意義が変わることとが分かった。換言すると、ツイッター記事がサイバー空間で引き起こす最終的な反応の度合いは、発信直後の10分までの動向で予測が可能なことを示す。これらの結果は、サイバー空間で多数の人たちが発信するメッセージが全体としてどのような影響を生み出すかを分析する際の基礎的な知見となる。サイバー空間の現象に関する本稿の知見はまた、どちらも個人を超えた仮想的な空間として定義される集合的意識や集合的無意識に関して、動的側面や定量的側面を理解することにも役立つ可能性がある。
Keywords: 集合的無意識、集合的意識、情報、ツイッター、サイバー空間、集団心理、インパクト、ユング、時系列解析

[大会長講演

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.89)
生命進化学的にみた特殊環境に生息する微生物とその有用性                                                                                                                                                            

   
杉森 賢司
                          東邦大学医学部
要旨:
生命進化的に特殊環境に生息する生命を考えた場合,非常に興味深い点に気がつく.40億年もの長い間に生命は単細胞から多細胞へと進化し,現在の多種多様な生命となり地球上における生態系を形成している.一方,特殊な環境に生息する生命体の様に,一見生命体の生息が考えられない環境を上手く利用し,そこで様々な生命体が長年にわたり独自の生態系を営んでいる.様々な分野で役立つそれら生命体の特殊性と有用性について述べる.
Keywords:微生物,特殊環境,生態系,進化

[一般講演

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1 , p.90)
The World-Renowned Healing Water of Unknown Geochemistry (Lourdes, France)  

 Dariusz Dobrzyński
                          University of Warsaw, Faculty of Geology
要旨:
In the area of Lourdes (Pyrenees, France), the town world-wide known for Marian shrine and the Massabielle (MS) healing spring water, karst spring waters, drinking waters provided for pilgrims and river water were studied in details in multidisciplinary (geochemical, biological, tensiometric) survey. It was the first such a wide geochemical test of the MS water, and at the same time the first one, the results of which were published and are widely available. Since the disclosure of the MS spring in 1858, in an atmosphere of great interest and excitement, there were various hypotheses indicating the inferred factors or components responsible for actual or putative healing properties of the MS water. Among others, it was proposed similarity of the MS water to curative waters of this Pyrenees region, and presence of ozone or bacteriophages. Recently, germanium and hydrogen were also announced as possible healing agents. As a result of the research carried out, it was found that the MS spring water is enriched with numerous elements (Li, Na, Cs, Ba, S, F, Br, REE, B, Sb and Bi) comparing with other studied springs and with bedrocks geochemistry. Studies do not verify the claim that Lourdes waters are rich in germanium.
Keywords: healing water, spring water, groundwater geochemistry, Lourdes, Pyrenees, France

[解説]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.91)
鹿との共生を目指して                                                                                                                                                            

   橋爪 秀一
Idea-Creating Lab
要旨:
古くから、日本人は鹿に対して可愛らしい、高貴である等の好印象を持っており、神使或は神獣として崇めてきた。しかし、現在、毎年約40万頭の鹿が害獣として駆除されており、駆除された鹿の大部分は、ゴミとして廃棄されているのが現状である。我々は、駆除された鹿を有効資源として利用すべきと考えており、鹿肉、鹿皮や鹿茸の天然資源としての価値を模索している。日本人は鹿と古くから深い絆を培ってきたことから、今後も鹿と共生するための方法を探っていくべきと考える。 今回は、ニュージーランド、台湾及びモンゴルにおける鹿との共生方法と鹿の資源としての利用法について報告し、考察したい。
Keywords: 鹿、共生、獣害、天然資源

[解説]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.92)
気と言う観点より考察する神性の働きと『ネオ・リーディング』

   
朝日 舞
日本ライブセラピー協会

要旨:
瀕死の状態より、私にいのちと健康をもたらした中国気功法は、"気"と言う精緻なエネルギーの存在を有する。気功法は生命活動を発展させ、人生を豊かにさせることができる技術であり、また、医学や哲学でもあり、奥深い人間科学と考えられる。しかしながら、その先に在るものは、個々人に与えられた天分としての生命力を超えたところにある、非自己でありながら、真実の自己としての存在である。それは大いなる自己であり"神性"と呼ばれるものである。その大いなる自己である"神性"にアクセスする方法を『ネオ・リーディング』と呼ぶことにする。 手法としては、日本でも周知されはじめている、バイデジタルO-リングストを活用しながらも、医学的知見より雑学へと多様化させたものである。いくつかの事例を元に、『ネオ・リーディング』による神性へのアクセスについて考察したい。
Keywords: ネオ・リーディング、神性、大いなる自己、人間科学

[一般発表

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.37, No.1,  p.93)
命と魂のエネルギー −グリーフケアサイエンス(GCS療法®)の実際−

   よしだひろこ、藍川ゆきえ、直井美子、浜田梨花、大木一子、大木正男     
日本催眠療法協会 HPS心理センター
要旨:
「GCS療法®」は従来のグリーフケアとは異なり、セラピストの催眠誘導によりクライエント自身が故人の声を聴き、故人と語り合うことができる療法である。死の原因はもとより、故人が死後に遺した想いや事柄なども生前と変わらぬ感覚で会話することが容易であり、故人のエネルギーを感じながら、時空を超えた光の世界を体験することができるよしだオリジナルの方法である。
Keywords:  催眠療法、グリーフケア、癒しの科学、死者との交流

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Last Modified: March 12, 2019