International Society of Life Information Science (ISLIS)

Journal of International Society of
Life Information Science (ISLIS)

27巻、1号、2009年3月号

要旨 


[理事長報告]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p.7)
国際生命情報科学会(ISLIS)の13年半と「潜在能力の科学」の推進

山本 幹男
国際生命情報科学会 (ISLIS) 理事長・編集委員長1、
国際総合研究機構 (IRI) 理事長2(日本、千葉市)
東邦大学 理学部 訪問教授
要旨:
国際生命情報科学会(ISLIS)の1995年創立から2009年春までの13年半の活動と「潜在能力の科学」の推進について報告する。設立趣意は、物質中心の科学技術から、こころや精神を含んだ21世紀の科学技術へのパラダイム・シフト(枠組革新)のための、実証的科学技術研究の発展を通じて健康、福祉、教育と社会および個人の心の豊かさを増進させ、自然と調和した平和な世界創りに寄与する事である。創設以来、生命情報科学シンポジウムを年2回、計2回主催と国際学会誌Journal of International Society of Life Information Science (Journal of ISLIS )を年2号発行してきた。2002年には「潜在能力の科学国際シンポジウム」を、20048月には韓国ソウルで「Mind Body Science国際会議」を主催した。2004年には単行本「潜在能力の科学」を発行した。現在世界の9カ所に情報センターを、約10カ国に約260人の会員を有す。20098月には箱根で合宿をする。

Keywords:
International Society of Life Information Science (ISLIS ), Journal of International Society of Life Information Science, publication of a book, human potential science, mind body, parapsychology, qigong, complementary and alternative medicine (CAM), integrative medicine

[Proceedings of 27th Symposium of Life Infromation Science]
without peer-review
[大会長講演]

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p.47)
擬科学とは何か − 地球温暖化問題を例として

伊藤 公紀
横浜国立大学大学院工学研究院・教授 (横浜、日本)
要旨:
科学の特性を言語の自己表出性と指示表出性の観点から捉え、また科学の方法論を検討することにより、科学の要件を求め、擬科学とは何かを考察する。地球温暖化問題を例にとり、擬科学に陥らないためにはどうしたらよいかを考察する。

Keywords:
科学、擬科学、自己表出、指示表出、三段階論、地球温暖化論

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p.52)
音楽刺激が心拍変動に与える影響

青木孝志1、足達義則2、鈴木昭二3
1中部大学工学部(日本、愛知)
2中部大学経営情報学部(日本、愛知)
3鈴鹿工業高等専門学校(日本、三重)
要旨:
音楽刺激による心拍数および心拍ゆらぎの変化を調査した。被験者は22-23歳の健康な男子10人であった。音楽は一つのJ-Pop, Judy and Maryの歌"くじら12号"を用いた。音楽刺激の刺激前5分,刺激中5分,刺激後5分の脈波を測定した。その結果、心拍数に有意な変化は見られなかった。LF/HFは刺激中において有意に減少した(LF およびHFは、それぞれ、心拍変動のパワースペクトルのlow frequency成分およびhigh frequency成分を意味する)。これは、刺激中に交感神経の活動を抑制することが示唆された。LF は刺激後有意に上昇した。これは刺激後においてストレスの軽減効果が示唆された。本実験で用いた音楽の刺激は音楽療法に効果があると思われる。

Keywords:
Music stimulation, music therapy, heartbeat fluctuation, mental stress


(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p.59)
各種刺激下での脈波形のフラクタル性の解析

足達義則1、青木孝志1、鈴木昭二2
1中部大学(日本、春日井)
2鈴鹿工業高等専門学校(日本、鈴鹿)
要旨:
生体は、刺激に対して特有な反応を示し、その一つとして自律神経を通して脈波形にも変化が現れる。通常、外界からの刺激の受容機構として五感があるが、本研究では、視覚、聴覚、および嗅覚からの反応について検討する。与える刺激として、音刺激(音楽)、光刺激(周期的点滅光)、匂い刺激(香水)を取り上げ、脈波形を加速度脈波計で計測し、脈の周期性、波形のフラクタル性について刺激前中後の脈波形の変化から検討した。当然、個人性が大きく現れるため個々の被験者について一様な値とはならないが、何らかの変化が現れることを確認した。特に、刺激中の変化に注目して検討を加えた。
Keywords:
音刺激、光刺激、匂刺激、脈波形、リアプノフ指数、自己相関

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p.66)

負性インピーダンス変換器を用いた新しいツボの等価回路決定法

鈴木昭二、足達義則、青木孝志
1鈴鹿工業高等専門学校(日本,鈴鹿)
       2中部大学 (日本,春日井)
要旨:
本論文では、負性インピーダンス変換器(NIC)を用いた新しいツボの等価回路決定法を提案している。この方法では、一箇所の測定が数分でできる利点がある。測定原理は、ツボ内部の抵抗および負性抵抗部分を外部からNICを用いて打ち消し、キャパシタンスCだけの回路にしておき、それを外部に付けたコイルと共振させて、その共振周波数からCの値を測定している。また、Rの値は打ち消しに使用したNICの負荷抵抗の値から読み取ることができる。この方法では、周波数特性と位相特性を測定する必要はない。
Keywords:
Keywords:
acupuncture point, Hoku, Oriental medicine , negative impedance converter(NIC)

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p.69)
種々の音刺激とヒーリング効果

河野貴美子1、喜田圭一郎2、中村泰治3
1国際総合研究機構 生体計測研究所(日本、千葉)
2サウンドヒーリング協会 (日本、東京)
3昭和大学 名誉教授 (日本、東京)

要旨:
音楽を始めさまざまな音によるヒーリングの効果や脳の活性化を求めて各種の方法が試みられている。河野は前回のISLISシンポジウムで可聴域を超える高周波音の生体への影響、ならびに左右の耳に通常と異なる音刺激を加えることによる聴覚機能変化について考察を行ったが、他にもクリスタルボウルや音叉形状の道具を用いて、純音やその倍音振動を全身に浴びることによる癒し効果、また音振動を直接、体表面に当てることによる効果など、数多く実験してきた。また、左右の耳に音を分割して聞かせる、刺激速度を上げるなどにより聴覚機能を刺激し、能力開発を狙うものもある。日常的な刺激から大きく逸脱する感覚刺激は変性意識を誘い易い。その点も考慮しながら、音の3要素、大きさ、高さ、音色のさまざまな違いによる生体への影響、また音楽の3要素、リズム、ハーモニー、メロディーを変化させたときの聴覚、皮膚感覚反応の違いなどを探ってみたい。その上で音によるヒーリング効果について、会場での実体験も交えながら参加者と討論したいと考えている。
1) 河野貴美子、世一秀雄: 高周波領域を考慮した音の刺激と脳の反応J.
Intl. Soc. Life Info. Sci. 26(2) 247-251, 2008.
Keywords:
脳波、波、聴覚、振動、サウンドヒーリング

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p.71)
音の正体

喜田圭一郎1、河野貴美子2、中村泰治3
1サウンドヒーリング協会 (日本、東京)
2国際総合研究機構 生体計測研究所(日本、千葉)
3昭和大学 名誉教授 (日本、東京)
要旨:
音は物が動き振動することで生まれる。ハープの弦を弾き、木や手を打ち、また発声し、貝を吹く事などで音は生まれ、この「弾く、打つ、吹く」の3つは楽器の原点ともいえる。その振動は空気の疎密を生み、音波が周囲に広がっていく。音波の長さは、低音は長く、高音は短い。音波は空気、木、金属、骨、水など、さまざまな媒体を伝わるがそのスピードは違う。空気中は340m/秒、水中では1500m/秒、金属や骨など固体の中では5000m/秒以上と早くなる。骨や約70%が水である人体の構造は音が伝わりやすく、音を活かしたヒーリングや各種療法を行う上で重要な意味を持っている。
自然界には1ヘルツから数百万ヘルツまでかなり広い周波数帯域の音が存在すると言われているが、私たち人間には
20Hzから20000Hzまでの帯域しか「音」として知覚することができない。
人体は高い音は頭部に共鳴し、低い音は体に響く。頭に共鳴しやすい高い周波数の音は脳を活性化し、意識を覚醒するのに効果があり、緊張や注意を促すのにも役立つ。一方、体に共鳴しやすい低い周波数の音は緊張した体を弛緩させるのに効果があり体を内側から緩ませることができる、また感動ももたらす。音によるヒーリングの原理は共鳴であり、音波が体の中に入ると生きた細胞の中で共振が起こり、体の組織の修復や活性化に効果があると考えられている。
ハズラト・イナヤート・ハーンは音の影響に関して「音のもつ物理的な作用は人体に多大な影響をおよぼしている。人体は生きている音の共鳴体であり・・自然に発声された声には、その人自身を癒す力があり、自分を癒す声で歌をうたえば、それが他者を癒す力にもなる」と述べている。
音は振動であり波動である。波動とは波のような動きのことであり、物理学では「空間的にも時間的にも変動する場の運動」を波動という。すべてのものが波動であり振動しているが、音のようにゆっくり振動するものもあれば、FM電波(760万〜900Hz)や色彩(405兆〜790Hz)のように波長が短く、振動数が多く早い振動のものまで様々である。そのいずれの波動も私たちに何らかの影響を与えているが、五感で知覚できる帯域はごく限られている。

西洋における心と体の統合性の認識は「真に病気を治すのは内なる自然の力である」といった紀元前4世紀のギリシアのヒポクラテスまでさかのぼり、それから200年後のピタゴラスも「分けることのできない完全な全体として人を診るときに、病気の治療はもっとも有効におこなわれる」と考えていた。このすぐれてホリステックな人間の心身に対する認識は17世紀までは一般的常識として捉えられていた。
 そして現代、健康や幸福な人生を考えるとき、改めて心が与える体への影響は無視することのできない要素となった。音は心を元気にするだけでなく、体へも振動としてプラスの影響を与える。その音の活用方法や可能性を探ってみた。
Keywords:
音波、周波数、共鳴、ヒーリング、ホリスティック

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p72)
自己否定感に対するスピリチュアルヘルス教育の逆説的アプローチ
尾崎 真奈美
京都大学大学院 人間環境学研究科(日本、京都)
要旨:
本研究の目的は、自己否定を強調する悲観的スピリチュアリティの特徴を探索し、自己の性格的な欠点をあるがままに受け入れることにより、逆説的にポジティブ感情の喚起を狙うスピリチュアルヘルス促進の予備的介入プログラムを紹介することである。844名の通常の、また107 名の特別な宗教教育を受けた大学生にSP-TESTを施行した。質問紙調査の結果、宗教的学生は一般学生に比較し、総得点・意志・気づき得点において高く、喜び得点で低いことが明らかとなった。マインドイフルネス的リラクゼーションの後、短所における肯定的な側面や意味を指摘するワークを行った。コメントシートによると、55名 (88.7 %) の学生が短所から肯定的な性質や意味を見出し肯定的感情を獲得した。 ネガティヴィティを切り捨てずむしろフォーカスすることで意味を見出す逆説的スピリチュアルなワークは、悲観的日本人大学生の肯定的感情を獲得しスピリチュアルヘルスを促進する可能性がある
Keywords:
スピリチュアルヘルス、ポジティブ感情、介入、逆説的アプローチ、意味、喜び

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p76)
凸凹マット足踏みのストレス改善効果
橋爪秀一1,2、鎌田明彦2,3、河野貴美子2,4
小久保秀之2,4、山本幹男2,4、桂川秀嗣2、渡辺恒夫
2
1森永製菓株式会社 研究所(日本、横浜)
2東邦大学理学部 心と生命の環境学研究センター(日本、船橋)
3アイリテック株式会社(日本、東京)
4国際総合研究機構(日本、千葉)
要旨:
精神的ストレス指標として、唾液中のクロモグラニンA(CgA) 及び瞳孔対光反応より得た新規演算方法採用ストレス強度(瞳孔ストレス強度)を用いて、半球状(半径: 3-35mm)の突起物がある凸凹マット上での足踏みについてストレス改善効果を検討した。その結果、CgA、瞳孔ストレス強度及びアンケート調査結果から得られたストレス自覚スコアが、クレペリン検査によるストレス負荷で上昇した後、足踏みによってストレス強度は、何れの指標においても減少した。更に、足踏み後30分間の安静を取ることにより、凸凹マットでの足踏みを行った場合にはCgA及び瞳孔ストレス強度が更に減少し、ストレスの低減が認められたが、コントロールとして用いた平坦マットでの足踏みを行った場合には、逆に、CgA及び瞳孔ストレス強度の増強が認められた。この安静30分後のCgAレベルについては、凸凹マット足踏みと平坦マット足踏みとの間で有意差 (P<0.05) が認められた。
Keywords:
クロモグラニンA、瞳孔対光反応、精神的ストレス、凸凹マット足踏み

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p.84)
異なる波長域で見たキュウリ切片の極微弱発光
70GHzミリ波照射と非接触ヒーリングとの比較−
小久保秀之、山本幹男
国際総合研究機構 生体放射研究室(日本、千葉)
要旨:
白いぼキュウリの切片を空気中にさらすと、約5時間でキュウリから発せられる極微弱生物光の強度が最大になり、その後徐々に減衰する。この発光強度の時間変化を、波長域の異なる2種の装置、I.I.カメラModel C2400-47、波長域 280-650nmと、CCDカメラImagEM C9100-13、波長域 400-1000nmを用いて測定した。比較のため、キュウリ試料に極微弱の70GHzミリ波照射、あるいは非接触ヒーリング処理も行った。結果、赤〜近赤外線領域で観察した場合は、キュウリ試料の発光強度は非常に大きく、また、試料の成長軸の向きによって発光強度に差があることがわかった。ミリ波照射による発光強度の変化はいずれのカメラでも観察されなかった。非接触ヒーリングの効果は、I.I.カメラでは検出されたが、CCDカメラでは検出できなかった。非接触ヒーリングの検出には、赤〜近赤外の光の除外が重要と考えられた。
Keywords: バイオフォトン、白いぼキュウリ、近赤外、70GHz、ミリ波、非接触ヒーリング

(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.27, No.1, p.98)
非接触ヒーリングの方法とヒーリングパワー
小久保秀之、山本幹男
国際総合研究機構 生体放射研究室(日本、千葉)
要旨:
白いぼキュウリの切片(実験試料)に30分間非接触ヒーリングを行った後、実験試料から生じる極微弱生物光をヒーリングしなかった対照試料とともに18時間測定した。20086月〜12月に行ったキュウリシリーズ7で、種々の流派のヒーラー24名(初心者10名、中堅・ベテラン14名)を各2回ずつ測定した結果、制御されたヒーリングパワーの指標であるJ値は、平均0.08495%頼区間±0.026(n=24)であった。初心者群(J=0.081)と中堅・ベテラン群(J=0.086)の間には有意差はなかった。J値と相関した変数は年齢だけであった(r=0.487, p=0.016, 両側)。詳細な解析から、1回目と2回目のJ値の増減は、被験者の性格特性のうち利発性因子と弱い正相関が(r=0.466, p=0.022, 両側)、また、ヒーリング方法のうち「愛の心」(神仏や精霊への祈りを含む)の使用程度の増減と弱い正相関があった(r=0.417, p=0.043, 両側)。利発的な被験者は比較的うまく実験状況に対応できると考えられた。「愛の心」の増減は中堅・ベテランで顕著であり、この方法に被験者が慣れていることを意味すると考えられた。
Keywords: 非接触ヒーリング、方法、因子分析、ヒーラー、定量測定、バイオフォトン、白いぼキュウリ

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Last Modified: March 31, 2009