Journal of ISLIS

Vol, 24, No.2, September 2006

Journal of International Society of Life Information Science (ISLIS) 

要旨


[原著論文]

急性期脳梗塞の生体リズム障害と慢性期睡眠障害の関連
大門康寿,竹川英宏,江幡敦子,鈴木圭輔,宮本智之,宮本雅之,平田幸一
要旨: 約24時間周期のcircadian rhythm(CR)は最も基本的かつ強固な生体リズムであるが,寝たきりの神経変性疾患などでCRは不明瞭化する.一方,脳梗塞後遺症は運動障害のほかに睡眠障害もあり,quality of life(QOL)の障害となるため,急性期生体リズム障害と慢性期睡眠障害の関連を検証した.方法は,発熱性疾患のない初発脳梗塞35例を対象とし,生体リズムは直腸温でMini-Logger 2000ならびにMEMを用いて求めた.睡眠障害は発症21日以降のPittsburgh Sleep Quality indexで評価した.睡眠障害は,急性期にCRが不明瞭化しなかった群では20.8%であったが,CRが不明瞭化した群では63.6%に認められた(P<0.05).以上より,脳梗塞急性期に生体リズム障害を見る例では慢性期に睡眠障害を合併し,QOLを阻害する可能性があると考えられた.
Keywords: 脳梗塞, 概日リズム, 睡眠障害, 直腸温, MEMスペクトル解析


第22回生命情報科学シンポジウム
2006年 9月2,3日
東京電機大学

<会長講演> 高次元医療の提唱
樋口 雄三
要旨: 現代医療は最高の水準にあり、検査機器も高度に発達しているにもかかわらず、病気が治らないのは現代医学が病気の本質を捉えていないからである。精神的ストレスや生活習慣の誤りなどによるものは現代医療で治療できるが、残りは氣の不足と滞り、霊障によるものである。近年ようやく代替医療が取り入れられ、統合医療が行われるようになってきたが、それでも不十分でさらに霊的施療を加えた高次元医療でなければならない。高いレベルの氣功師や霊的施療によって著しい効果が認められた症例を紹介する。
Keywords: higher dimensional medical treatment, spiritual illness, cerebral aneurysms, prostate cancer

セション <気功・潜在能力>

内気功における呼吸の効果

町  好 雄、 劉 超
要旨:気功で重要なことは3調と言われているが、この論文では3種類の内気功について呼吸に注目して生理学的な立場から検討したものである。ここでは站トウ功、六字訣、内養功について検討を行った。ここで述べる気功は站トウ功では通常の呼吸に比べ、呼吸の周期が遅くなる方法で通常は1分間に15回程度の呼吸が数回程度になり、深い呼吸に変わることが分かった。六字訣では特定の文字の発声を行う時に、深く、遅い周期の呼吸を行っていることが分かった。内養功では呼吸を単に吸気、呼気のみではなく、呼吸停止を何処に入れるかで、たとえば血圧の制御を行えることが証明された。また3個の気功でいずれも異なった呼吸を行ったにも係わらず、気功を開始することで血中酸素濃度が低下する事が分かった。站トウ功や、六字訣では心拍数が増加し、血圧が増加した。内養功では硬式では同様に血圧が上昇したが、一方で軟功では血圧は低下し、その時には平均心拍数は明確に低下していることから呼気の後すぐに吸気を行わないで呼吸を短時間止めることは副交感神経系が優位になるものと考えられる。
Keywords: three controllable items, standing posture qigong, six-word-practice, nei yang gong, physiological measurements, autonomic nervous system, respiration methods.

ウェーブレット変換によるタントウ功時のECG信号の解析
常木省吾、劉超、町好雄
要旨: 本研究は気功師の協力のもと、タントウ功時および歩行運動時のECGを測定し、ウェーブレット変換を用いて解析した。その結果、タントウ功時と歩行運動時では心拍上昇時のECG波形に異なるパターンが見られた。これよりタントウ功時と歩行運動時では心臓に対する自律神経系の働き方が異なるということが考えられる。
Keywords: wavelet transform, internal qigong, standing posture qigong, sympathetic nerve, parasympathetic nerve

気功時の生理変化と呼吸の関係
吉田 洋和、 劉 超、 町 好雄
要旨:呼吸時の腹部と胸部の動きと自律神経の活動変化から、呼吸と自律神経の活動変化にどのような関係があるかを考察した。その結果、ある程度以上息を吐くことで自律神経は交感神経優位となり、その状態を維持することで交感神経優位の状態を保ち、そこから息を吸うことで副交感神経優位となることが分かった。このことから呼吸によって自律神経の活動を変化させられると考えられる。
Keywords: standing posture qigong, abdominal breathing, sympathetic nerve, parasympathetic nerve, PWTT/R-R,

極微弱生物光による非接触ヒーリング作用の評価法の研究
小久保秀之、山本幹男、河野貴美子
要旨:手かざしや祈りになどの非接触ヒーリングの作用を、極微弱生物光で評価する方法を研究した。超高感度カメラにて植物切片(白いぼきゅうり)の試料対(実験試料と対照試料)を18時間測定し、実験試料から生じる生物光の発光強度を対照試料の発光強度と比較した。測定は、実験試料に全く処理を行わない無処理群、手かざし等を行うヒーリング群、40℃の熱源にさらす熱処理群について行った。結果、無処理群と熱処理群では実験試料と対照試料の発光強度に差は無く、ヒーリング群でのみ実験試料と対照試料の発光強度に有意差が見られた(p = 0.002, 両側, paired t-test)。また、実験試料と対照試料の発光強度の比の対数を効果量の指標とすることで、非接触ヒーリング作用の定量的評価が可能となった。
Keywords: biophotons, Cucumis sativus, healing, laying-on-of-hands, prayer, standard method, evaluation, direct mental interaction with living system, DMILS

<理事長報告S>

国際生命情報科学会(ISLIS )11年の歩み

山本 幹男
要旨: 国際生命情報科学会(ISLIS)の2006年までの11年の活動と現状を報告する。ISLISは2005年に創立10周年の記念行事を実施した。設立趣意は、物質中心の科学技術から、こころや精神を含んだ21世紀の科学技術へのパラダイム・シフト(枠組革新)のための、実証的科学技術研究の発展を通じて健康、福祉、教育と社会および個人の心の豊かさを増進させ、自然と調和した平和な世界創りに寄与する事である。1995年の創設以来、生命情報科学シンポジウムを年2回、計22回の主催と国際学会誌Journal of International Society of Life Information Science (Journal of ISLIS )を年2号定期発行し続けてきた。2002年には「潜在能力の科学国際シンポジウム」を、2004年8月には韓国ソウルで「Mind Body Science国際会議」を主催した。2004年には単行本「潜在能力の科学」を発行した。現在世界の9カ所に情報センターを、約10カ国に約250人の会員を有す。意義あるISLISを存続・発展させるために、本部事務局と編集部の新体制確立と会員などの大幅増勢を図り、財政基盤の整備が課題である。相補代替医療へ日本でも引き続き2006年度も調査費が分配された。
Keywords: International Society of Life Information Science (ISLIS ), Journal of International Society of Life Information Science, publication of a book, human potential science, mind body, parapsychology, qigong, complementary and alternative medicine (CAM), integrative medicine

セション <その他> ジャスミンの匂い刺激が加速度脈波に与える影響
青木孝志、足達義則
要旨:近年、様々な芳香の活用が補完療法分野で増加しつつある。これはアロマセラピーと呼ばれているが、匂い刺激は人体の嗅覚中枢に伝わり、自律神経や脈波に影響を与える。本研究目的は、匂い刺激が波高比(b/a、c/a、d/a)に対して、どのような影響がもたらすのかを調べることである。ここで、a,b,c,dは加速度脈波の構成成分であるa,b,c,d波の高さである。その結果、ジャスミンの匂い刺激によってb/aが統計的有意に減少した。またc/aおよびd/aの変化率は有意な変化がなかった。この実験結果は血管の伸展性がよくなったことを示唆している。刺激を止めるとほぼ5分程度でもとに戻った。
Keywords: jasmine fragrance, aromatherapy, pulse waveform, blood vessel extensibility

回転磁場照射がマウスの直腸温に及ぼす影響
足達義則、青木孝志、吉田勝志
要旨: T微弱な回転磁場が生体に及ぼす影響を、制限食餌下の体力消費の激しいマウスを用い て検討した。2.5mA と3.5mA の2 種類の磁場強度を用いて検討した結果、2.5mA群、3.5m A群ともに照射による直腸温の上昇が認められた。しかし、2.5mA群では継続して安定した 効果がみられるものの、3.5mA群では半数のマウスに途中で効果が認められなくなった。こ のように、生体に適した磁場強度の設定が必要であるものの、回転磁場がマウスの直腸温に 影響を与えることが確認できた。
Keywords: rotational magnetic field, rectal temperature, mouse

バーチャル刺激による生理的影響と心理スケーリングとの関連
段 旭東、洪 蘭、田代 学、呉 迪、
山家 智之、仁田 新一、伊藤 正敏
要旨: バーチャルリアリティ(Virtual Reality, VR)視聴覚刺激に対して個体差を解明するために、本研究は初めて、性格傾向と視聴覚刺激による生体反応の相関性を焦点としてアプローチした。対象は健常成人男子ボランテイア12名とし、被験者の心理スケーリング傾向は「A型傾向判別表」を用いて分析した。実験は20分間安静させ、次に「Descent」というVR三次元射撃ゲームを20分間施行させた。ゲームとコントロール時の比による変化率と、数量化された心理スケーリングスコアとの相関関係を求めた。その結果、実験後症状の合計得点とTOIの間に正の相関があった。したがって、タイプAはゲームに熱中しやすい、熱中になると、脳への血流量、血液酸素の要求も増加しやすいという傾向があると推定できる。
Key words: Virtual Reality (VR), type A behavior pattern, hostility scale, social support quantity

マイナスイオンに帯電した空気の電位と光強度の関係
鈴木昭二、足達義則、伊藤健太
要旨:身体に良いと言われているマイナスイオンと光強度の関係を調べた。 マイナスイオンを出す装置を用いて空気を帯電させた。その空気に光を照 射したときの空気の電位を測定した。空気の電位とそれに照射する光の間 に強い相関関係があることを明らかにした。その結果、同じ照度でも光源 の種類によって、空気の電位の変化が大きく異なることがわかった。
Keywords: negative ion, electrical potential, light intensity, illuminance.

<特別講演 1>
重力変動ストレスの生命科学;パラボリックフライトを経験したヒトの血清因子による細胞の変異誘導能の調節
鈴木 信夫、斉 效軍、高橋 俊二、野村 純、菅谷 茂、
一村 義信、Ling ZHAI、 Xiaobo TONG、喜多 和子
要旨:ヒトの細胞において、遺伝子の情報が変化することによる突然変異の頻度は、様々な環境条件下でのストレス状態におけるヒトの血清により調節を受けることを我々は以前見出している。本研究では、パラボリックフライト経験者7名の血清や血清の画分サンプルに紫外線の変異原性を調節する活性のあることを見出した。このような結果は、宇宙旅行後のヒトの生物学的将来を研究するために有用な一つの方法を我々に与えてくれることになろう。
Keywords: evolution, human, mutation, gene, gravity, serum, interferon

<特別講演 2>
トータルヘルスクリニック システム - 社会医学的実験として -
落合 正浩、落合 広子
要旨:社会医学的実験として開発中のトータルヘルスクリニックシステムの経過報告を行う。  トータルヘルスクリニックシステムは、個々に散在する現代医療や代替医療などの専門機関の中から厳選された優良機関が、公衆衛生クリニックを中核として有機的に統合されているシステムである。  中核となる公衆衛生クリニックの特徴は、以下の通りである。
1. 楽しくて、体に良くて、経済的にも豊かな元気な組織の実現を主目的とする。 
2. 企業や地域などの組織単位で担当し、組織診断や組織計画の立案などのヘルスマネージメントを始め、個別診察や集団セミナーなども行う。
3. 疾病治療が主目的ではなく、能力開発的な側面を重視し、メンタルヘルスを中核として、休養、栄養、運動などの生活そのものを、基本的な内容から提案していく。 (化学合成薬や手術などは提案しない)
4.現代医療、代替医療などの各種専門機関を厳選して、有機的に統合し、組織員を協働で担当する。
Keywords:Total Health Clinic System, socal medical experimentation, integrate, public health clinic, selected elite institutions

<特別講演 3>
日本と南米諸国との超心理学国際共同研究
小久保 秀之
要旨:筆者は南米諸国と種々の国際共同研究を実施している。本講演では、そのうちの3件の超心理学的研究、1)自閉症患者に対する遠隔ヒーリング効果の研究、2)ブラジルの宗教儀式のフィールドRNG実験、3)サイ能力誘発訓練について、その概要を紹介する。
Keywords:parapsychology, Japan, Brazil, Chile, Peru, Argentina, autistic patients, remote healing, ritual, field RNG, psi-inducive training

<パネル ディスカッション>
遠隔作用についてのパネル・ディスカッション
木戸 眞美、愛甲 次郎、佐々木 豊文、西城 隆詞、藤谷 康充、高橋 克幸
遠隔ヒーリングの科学計測による研究論文を木戸がある人に送ったところ、それに対して「私達のグループでは、家族間などで日常茶飯事に遠隔ヒーリングを行っていますが科学的に証明するのはそんなにもたいへんなのですね。」という返事をもらい、ちょっとした衝撃を受けた。実際問題として現実に遠隔ヒーリングを実践しているグループは複数存在し、その人数もかなりにのぼると思われる。今回はそれら遠隔作用を行うグループの代表者などに集まっていただき、遠隔現象について活発な議論を行うことを試みた。個人的に遠隔作用を実践している人もいるが、今回はある程度の人数で団体活動をし、著書などでも広く知られている方法に限った。 最初に木戸が、最近のアメリカにおける祈りやいろいろな方式による他人に対する遠隔ヒーリングについての科学的成果と、自身で行った遠隔ヒーリンングの生体計測実験の結果を紹介する。それから、今回集まるグループの遠隔作用の方法について各自説明し、相互でパネルディスカッションを行い、その共通する要素や違いを浮き彫りして遠隔現象の明瞭な効果や本質を明らかにしていきたいと考える。
Keywords:Distant effects, Distant healing, Silva Method (SMC), Perfect Harmony, Reiki, Clear Sight Healing, Undertake-type Qi-gong

セション<情動の脳科学>
情動の脳科学
伊藤 正敏、田代 学
要旨:P.MacLeanは、情動脳を自律神経系及び反射脳と大脳皮質の間に位置するとし、これらの脳部位が担う活動と相互の情報の伝達を制御・修飾する役割を果たすと考えた。この情動脳の活動を我々は、感情として知覚する。情動は、少なくても三つの要素で知覚される。すなわち、自律神経反応として、顔の表情などの表出として、言葉で語ることによってである。これに加えて、近年の脳画像法の進歩は、第4の表出、すなわち、情動を脳画像として解析することを可能とした。本セッションは、情動に関係した最近の話題について概観する。
Keywords:PET, fMRI, emotion, brain, limbic system

ヒトの情動と記憶に関わる脳内機構
鈴木 麻希、藤井 俊勝、阿部 修士、
田代 学、森 悦朗、伊藤 正敏
要旨:とても悲しかったり嬉しかったりした出来事は良く覚えていて忘れにくい、という経験は 身に覚えがあるだろう。一方、出来事自体は情動的でなくても、その出来事を経験したときと同 じ感情状態のときに、その出来事が思い出されやすくなる現象が知られている。本研究では健常 大学生を対象に、[15O]H2O positron emission tomography (PET)を用いて、この現象の背景となる脳 内機構を検討した。その結果、ターゲット刺激の記銘−想起間の感情状態がネガティブで一致し ている場合に、不一致の場合よりも想起成績が良かった。また、この効果に関連して左海馬傍回 前方部、右外側前頭前野、右外側後頭葉が活動した。これらの脳領域は、特定の感情状態と刺激 の記憶とを結びつけることにより、記憶の促進効果に必須な役割を担っているものと考えられる。
Keywords:emotion, memory, brain, amygdala, medial temporal lobe, hippocampus, neuroimaging, positron emission tomography (PET)

アロマによる自律神経活動と脳活動
段 旭東、田代 学、呉 迪、山家 智之、
仁田 新一、伊藤 正敏
要旨:精神的負荷の反応は自律神経機能の変化として捉えられる。その評価の指標としてホルター心電図による心拍変動(heart rate variability)解析を用い、ラベンダーの香りが自律神経活動の変動に及ぼす影響について検討した。また、ポジトロン断層装置(PET)を用いて脳内集積を画像化し、ラベンダーの香りによる脳の活動度も検討した。対象は健常成人女性10名(平均年齢23.8±2.5歳)とした。ラベンダー香りを含んだ湿布を30分間添付したことにより、HFが上昇し、LF/HFが低下することがみられ、副交感神経が増加すると考えられた。また、PETによりこのとき、左後部帯状回の活動の上昇が、右側頭葉での活動の低下が見られた。これらの脳部位は、リラクゼーションのみでなく覚睡レベルの上昇の可能性を示唆するものであった。
Keywords:lavender aroma, heart rate variability, FDG-PET, relaxation

身体感覚から情動に至る経路
福土 審
要旨:脳はそれ自体では機能を発揮できない。環境の信号を処理する感覚系(入力)とその状態に最も適応した行動を示す運動系(出力)があってはじめて機能を発揮する。その間には情動と認知に関する脳機能moduleが存在すると考えられる。われわれは、代表的な心身症である過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome: IBS)の病態生理を追求することにより、身体(内臓)感覚から情動形成に至る脳内過程の正常像と異常像を抽出できると考えている。大腸にバロスタットバッグを挿入し、伸展刺激を加え、同時にH215Oを静注した時のpositron emission tomography (PET)にて局所脳血流量(rCBF)を測定すると、視床、前帯状回、前頭前野の活性化が認められる。この時、同時に内臓感覚と不快情動が惹起される。健常者とIBS患者にはrCBFの賦活化様式に差が認められる。IBSの治療法として有効性が証明されている催眠により、内臓刺激下の前頭前野と前帯状回機能が変化し、内臓感覚も修飾される。また、corticotropin-releasing hormone (CRH)拮抗薬はIBS患者の大腸運動、腹痛、不安を改善し、CRH-R1拮抗薬はIBSモデルラットに同様の効果をもたらす。健常者とIBS患者の双方において、CRH拮抗薬は辺縁系と前頭前野の賦活状態を修飾した。IBSには消化管由来信号の脳内処理過程の異常が存在し、少なくともその一部にCRHの関与が示唆される。IBSで見出された現象の情動形成の脳科学における普遍性が注目される。
Keywords:brain, emotion, visceral perception, PET

セション<ヒーリング・セラピー>
ヒーリング・セラピーの理論と実際
河野貴美子
要旨:ヒーリング・セラピーのセッションを行うにあたり、まず現状を概観し、科学的研究の全体像を掴む必要があろう。ここでは、筆者が今までに行ったヒーリングやセラピー関連の実験を振り返り、さらに最近行った音や音楽に関わるヒーリング効果の実験についても少し紹介して議論の糸口としたい。
Keywords:healing, therapy, EEG, a-wave, high-frequency sound

祈りによるヒーリングの科学的検討
中村 泰治、河野 貴美子
要旨:祈りとは、神だけを自分の心に住まわせることである。本研究は、報告者自身が被測定者となり各種の祈りにおける脳波および生理機能変化の測定を行い、その測定結果と測定時における被測定者の想念、意識内容とを対比し、祈りと肉体との関連を知ることを目的とした。今回は主に、"統一の祈り"における脳波測定の結果を検討した。脳波解析によると、10分間統一の終期において、前頭―後頭間α波位相ずれ時間は極めて小さくなり、後頭部のα波周波数も非常に低くなり、トポグラフによるとθ波が前頭、後頭全域に広がった。この時間帯に被験者は最も深い祈りの状態に入っていた。この結果を気功、坐禅などと比較すると、多くの共通するところが認められた。別種の祈りである'浄めの印'は外気功に相当すると思われる祈りであるが、そのヒーリング力を胡瓜の生物光を測定することにより確かめた。その結果、この印は生物の生命力を高める力のあることが認められた。
Keywords:EEG, prayer, In, frontal α wave, lag time of α phase, bio-photon

A Model of Psycho-Educational Approach for Spirituality Types Divided by the 3 Factors of Will, Joy and Sense with the Principle of Primary Light Color       

Manami OZAKI and Takeo OKU
要旨:The first purpose of this study is to propose a model of the Psycho-educational approaches according to the type of spirituality based on the 3 factor spirituality theory. The second purpose is to use the principle of primary light colors, to show the traits of spirituality visually and to give information for future investigations to connect psychology and physics on the research of spirituality. The 3 factor spirituality theory was lead through a series of research using SBAS‐TEST which has been developed to measure spirituality appeared as an individual's psychological maturity level. According to the high-low scores of 3 factors, Will, Joy and Sense, 8 spirituality types are formed. Each type has its own trait and the specific psycho-educational approach for each type was proposed. The ideal state of the 3 factors, will, joy, and sense, of spirituality represent The truth, The beautiful and The good. We apply the primary light colors blue, red, and green for the 3 factors, will, joy and sense respectively. By using the principle of primary light colors the traits of the spirituality was able to be explained visually. We also tried to integrate and sort the traditional psycho-educational approaches based on the 8 spirituality types. For the lack of will the approaches focusing on behavioral and cognitive level is appropriate. For the lack of joy the existential level, for the lack of sense the approaches to focus on transcendental level are considered to be useful.
Keywords:Spirituality, Psycho-educational approach, primary light color, Will, Joy, Sense, model, type

量子ホログラフィック原理に基づく非局在医療の意識情報モデル
奥 健夫
要旨:本研究では、量子論及びホログラフィック宇宙原理に基づき、人間生命体における意識・心を情報・エネルギーとしてモデルを構築し、心身の健康に及ぼすメカニズムを考察することを目的とした。ホログラフィック原理による全宇宙時空間に遍在する情報・エネルギーは、非局在情報に関わり、それが局在化した状態が個人の意識として認識されると考えられる。これらの意識情報のフォトン的なエネルギー変換から、量子脳理論により説明される脳細胞内に発生するコヒーレントなトンネル発生及びそのエネルギー変換により、脳波微弱電圧の発生、微量伝達物質の脳内化学合成−制御などが生じ、結果としてDNAから身体全体の健康に影響が及ぶと考えられる。非局在医療のメカニズムとして二つの共時性モデルを提案した。第一が3次元境界ホログラム上の虚数時間で表される意識情報IC1(r1, it1)及び健康に関する情報を含む非局在情報INL (r, -it)が共鳴する領域に生じる共時性モデルである。2つのホログラムが重なる領域での4次元時空rSH・実時間tSHにおいて、ISHの情報を有する非局在医療的共時性現象が生じる。第二のモデルとして、意識波動関数ΨC = Aei(px-Et)/?と非局在情報波動関数ΨNLが共鳴[(px-Et)C = n(px-Et)NLC] した領域が、共時性現象として通常の4次元時空に現れ、非局在的癒しが生じるメカニズムを提案した。また非局在医療から心身医学、そして人間の存在全体を癒すホリスティック医療を、INL ⇒ IC ⇒ hv ⇒ mc2により情報エネルギーモデルとして記述する可能性を示した。特にICは、希薄ながら宇宙全体の情報を含むホログラムであり、内部意識集中による非局在情報との共鳴により非局在的癒しが生じる可能性を示した。
Keywords:consciousness, information, quantum theory, holographic principle, nonlocal medicine, spiritual healing, synchronicity, psychosomatic medicine, holistic medicine

虚数構造化空間における情報伝達
−モード法と名づけた治療法を根拠として−
中村 俊規
目的:児童虐待に伴う外傷体験、脳外傷など救急外傷や脳腫瘍に伴うびまん性脳損傷の治療を行うなかで、我々は最も有効な介入手法のひとつを提案する。本研究は、人格の虚数次元に注目した体外的モデル化と心身二元論に対するポスト構造主義からの回答であり、客観的な臨床成果や神経画像上の脳内表現をもって例示されている。

セション<行動ロガー: 行動量測定・分析の実際>
最新型 米国A.M.I社製アクティグラフについて
後藤 祐司
睡眠・覚醒リズム障害や不眠症等の評価に用いる医療器として 日本で初めて厚生省の薬事許可番号(13B2X00346)で承認されました。

健常成人における行動ロガー記録
中島 亨、田中 伸一郎、近藤 ふさえ、鈴木 麻美
要旨: 行動ロガーは手首に装着されるため、記録が体全体の動きを反映しているか手首の動きを反映しているかどうかの生理学的検討が必要である。我々は、健常成人4例の体幹、上腕、手首に同時に行動ロガーを装着し、測定部位による測定値の異動を検討した。各部位の測定値には最低0.8以上の高い相関関係が認められ、行動ロガー記録は体幹の運動も反映していることが明らかになった。
keywords:actigraph, normal volunteers, different part of body, correlation coefficient

アクチグラフの臨床への応用
−2型糖尿病患者の睡眠状態の生理学的検討−
近藤 ふさえ、中島 亨、鈴木 麻美、田中 伸一郎、
田中 利明、下山 達宏、半田 桂子、
浅間 泉、古賀 良彦、石田 均
要旨:本研究は、T2DMを対象に携帯型身体活動測定器(以後 Actigraphと略す)を用 いて測定した。睡眠時活動量とPittsburgh睡眠調査票(PSQI)、起床時睡眠調査票AM版(OSA)、 およびHbA1cを分析した。その結果、T2DMでは高齢者よりも非活動期(睡眠期)時の活動 量(mG)が多く、入眠時の活動と中途覚醒による活動が推察された。HbA1cが高いほど Global scoreは高くなる傾向はあるが、有意な差は認めなかった(r = 0.30, p= 0.304)。また、OSAでは「T起床時眠気」「U入眠と睡眠時間」で平均より低かった。T2DMは「眠れない」と自覚する以前に睡眠障害が出現している可能性が示唆された。
Keywords:Type 2 Diabetes, During Sleep, Actigraph, PSQI, OSA

セション<香り>
香りの臨床応用〜アロマテラピーの実践現場より〜
安珠
要旨:植物の芳香成分を抽出した「天然精油」を心身のリラクセーションや健康増進、疾病予防に利用する、「アロマテラピー」を実践している現場の例を紹介する。
Keywords:aromatherapy

ハーバルエッセンスシャンプーの睡眠への影響

中島 亨、古賀 良彦、北森 敦子
要旨:ハーバルエッセンスシャンプーが睡眠にもたらす影響を検討した。黄体期の健常成人女性8名を対象とし、就床起床時刻などを厳密に決定した上で、ハーバルエッセンス(HE)と香りなどを除いた対照シャンプー(Ctl)をクロスオーバー法を用いて使用し、直後の睡眠状態を比較した。生理的変化としては、HE群ではCtl群に比較し、有意に睡眠段階2が増加し、早く体温が安定化していた。
Keywords:Herbal Essences, polysomnography, sleep stage, core body temperature

セション<代替・統合医療>
統合医療の実践とISLISへの期待
福岡 博史
要旨:我が国でも、統合医療が徐々に浸透してきているが、その反面、エビデンスの不足から代替医療に対する批判がいまだ多いことも事実である。特に目に見えない情報を扱うエネルギー医学・波動医学においては、科学的アプローチが困難であり、従来のEBMの手法ではない新しい評価方法も必要である。過去、気の世界や潜在能力について様々な研究成果を上げられてきたISLISの頭脳に、今後さらに代替・統合医療分野での科学的評価方法を追及していただくことを期待する。
Keywords:complementary and alternative medicine (CAM), integrative medicine, dentistry, Bi-Digital O-ring Test, vibrational medicine, energetic medicine

カイロプラクティック施術前後における脊柱の解剖学的位置関係の評価
小倉 毅、伊藤 正敏、山口 慶一郎、
曽根 理、木村 直哉、石垣 珠枝
要旨:本実験は、14名の被験者に対し、カイロプラクティック施術前後にMRI撮像を行い、画 像上における腰椎の解剖学的位置関係の評価を行った。施術後MRI矢状断面像において仙骨底傾 斜角度及びL5−S1椎間板角度の計測により、腰椎過剰前彎群被験者の前彎減少とみられる変化 が、腰椎前彎減少群被験者の前彎増加とみられる変化が計測され、カイロプラクティッ クは、ヒトの脊柱の解剖学的位置関係に変化をもたらす可能性が示唆された。
Keywords:chiropractic, lumbar lordosis, sacral base angle, lumbar sacral disc angle, lumbalgia

<バッチ フラワー レメディ ミニ・セション>
麻酔前投薬としてのバッチフラワーレメディの研究
豊田 茂芳
要旨: 手術に対する不安や緊張は、手術を予定された患者にとって精神的ストレスとなる。自然療法の1つであるバッチフラワーレメディの中の1つであるレスキューレメディが、各種のストレスに対して緩和作用があると言われている。そこで今回、レスキューレメディが麻酔前投薬に有用かどうかを検討した。ランダム化比較試験を二重盲検法にて行い、レスキューレメディ使用群と対照群に分けた。測定は服用回数及び手術室入室時の血圧及び心拍数、VAS(視覚的評価スケール)を用いた不安・緊張度(A-VAS)を手術前日と手術室入室時に行った。心拍数に関して、レスキューレメディ使用群は対照群と比較して減少傾向を認めた。服用回数については、レスキューレメディ使用群は対照群に比較して有意に低下した。レスキューレメディには手術時の不安や緊張を和らげ、麻酔前投薬になり得る可能性が示唆された。
Keywords:anxiety, premedication, complementary, alternative, medicine

<ワークショップ> 愛と光のスピリチュアルダンス第2回
―TDMS2次元気分尺度を使った気分変容に関する効果測定をともなって
尾崎 真奈美
本来の自分になること、スピリットとの一体感、あるいは悟り、至高体験といわれるようなトランスパーソナルな体験は、身体を通じて自覚されることも多いものです。このワークショップでは、グループワークを通して心と身体をほぐし、本来の自分・トランスパーソナルセルフ・魂に向かいます。手法としては、サイコシンセシス・フォーカシング・超越瞑想・ヨガ・表現アートセラピーなどに共通した呼吸法や・イメージワーク・ムーブメントなどを使います。愛と光に包まれた一体感を経験していくことができたらいいなと考えています。 スピリチュアルな側面に向かい光と一体化することは、シャドーを無視することではなく、むしろ、それをいとおしくやさしく抱きしめることによってはじめて可能となることです。前半は、グループの場でお互いに支え見守りながらシャドーに気づき、表現することを試みます。後半は、アロマ・音楽・花などの力を借りながら、自分の中にあり、またあらゆるものの中に宿っている、光・真実・美・愛・喜びの中心に、動きを通じてフォーカスしていきます。 トランスパーソナルな深い体験は、時々はまりすぎて危険になることがありますので、予防するために、短時間の講義もいたします。また、体験のあとにはシェアリングと、デブリーフィングにも時間をとりたいと思いますので、安心して動きやすい格好でご参加ください。 ダンスの効果測定として、2次元気分尺度によるアセスメントを体験の前後でいたします。これは覚醒と、快―不快を軸とした心理モデルにより作られた尺度(坂入ら2003)で、短時間で記入できセルフコントロールの指標として使えるものです。データは匿名で回収させていただき、統計処理を行い、次回シンポジウムで研究発表させていただくことを考えています。
Keywords:スピリチュアリティー・トランスパーソナル・光・愛・ダンス・自己実現・シャドー・イサドラダンカン・2次元気分尺度

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