ストレス下におけるラットへの「外気」の及ぼす影響 −尿中カテコールアミンを指標とした−

(The Effects of Wai Qi on Rats under Stress Based on Urinary Excretion Measurements of Catecholamines)

　

伊藤　智子¹、沈　再文¹、伊藤　康宏²、田村　明¹、朝山　正己¹

（Tomoko ITOH¹、Zaiwen SHEN¹、Yasuhiro ITOH²、Akira TAMURA¹ and Masami ASAYAMA¹）

^１中京女子大学　健康科学部（日本、愛知）

²藤田保健衛生大学　衛生学部（日本、愛知）

　

要旨：

未知なる「気」のパワーを、ラットを用いて科学的に解明することを目的とする。4日間「外気」を与えたラット（気功群）と、 「外気」を与えなかったラット（コントロール群）に水中遊泳を行わせ、その後、尿中に排泄されたカテコールアミン［アドレナリン、 ノルアドレナリン、ドーパミン］の量を測定した。アドレナリンは気功群もコントロール群もストレス負荷直後に大きく増加したのに対して、 ノルアドレナリンは、コントロール群では直後に増加したが、気功群は増加しなかった。ドーパミンは、ストレス負荷直後、気功群は有意に 減少したがコントロール群では減少しなかった。また、５日間の餌摂取量は両群間に有意な差はみられなかったが、コントロール群の体重 増加量は気功群のそれよりも大であった。以上の結果より「外気」は自律神経系などの働きに何らかの影響を及ぼしていることが示唆された。

Keywords:

Qigong, Wai Qi (external Qi), rats, stress, urinary adrenaline, urinary noradrenalin, urinary dopamine

　

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周天運気功における免疫能の変化

(Immune Changes during Cosmic Orbit Meditation of Qigong)

　

樋口雄三¹、小谷泰則¹、樋ロ博信²、峯岸由紀子³、 田中幸夫⁴、干永昌⁵、百瀬真一郎⁶

（Yuzo HIGUCHI¹,Yasunori KOTANI¹, Hironobu HIGUCHI², Yukiko MINEGISHI³ Yukio TANAKA⁴, Yong Chang Yu⁵ and Shinichiro MOMOSE⁶）

¹東京工業大学（日本、東京）

²東北大学医技短大（日本、仙台）

³自治医大看護短大（日本、栃木）

⁴東京農工大（日本、東京） 　　

⁵国際気功協会（日本、東京）

⁶百瀬医院（日本、東京）

　

要旨：

健康な6名の気功練功者を用い、多くの静功のなかで干式周天運気功を40分間行い、 その前後における静脈血中のナチュラルキラー(NK)細胞活性およびインターロイキン（ IL)−2の変動を測定した。静功直後及ぴ40分後においてNK細胞活性は対照群に比較 して有意に増加した。また、IL−2も同様に増加した。このことから周天運気功を練功す ることにより免疫能が向上することが明らかとなった。

Keywords:

Cosmic Orbit Meditation,NK Cell Activity, IL-2

　

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気功の血中活性酸素量に及ぼす影響

(Effects of Qigong on the concentration of free radicals in blood)

　

朴　玟用¹、朴　榮浩¹、張　錫潤¹、李　昌勲¹、金　相奎²

（Mignon Park, Youngho Park, Sukyun CHANG, Changhoon LEE,  Xiangkui JIN）

¹延世大学　電気・コンピュータ工学科(韓国、ソウル）、²吉林大学　体育教研部(中国、長春）

　

要旨：

人体内の活性酸素が成人の癌、多くの疾患及び老化現象と関連があることは最近の研究によりよく知られている。 本研究は気功師から気功を受ける前後の血中活性酸素量を調査するための基礎的な研究で、活性酸素は超微弱蛍光法により測定した。 実験は健康な成人、充実性腫瘍及びリンパ線腫を含む癌患者と心臓病、白血病、精神分裂症などの患者群に対する気功施術による活性酸素の 変化を測定した。気功施術により正常な人に比べ、患者らの活性酸素が顕著な減少が現れた。

Keywords:

free(oxygen) radicals, qi-gong, healing, cancer, chemiluminescence

　

[会長講演]

　

「潜在能力の科学」のすすめ

(Promotion of ”Human Potential Science”)

　

山本　幹男

（Mikio YAMAMOTO）

国際生命情報科学会(ISLIS)　会長 　

文部科学省　放射線医学総合研究所　放射線科学研究部(日本，千葉）

　

要旨：

「潜在能力」の科学研究は人間の能力の開花、自然治癒力の増進、予防医学・統合医療の推進、科学技術の革新、 心豊かで平和な社会の実現にとって大切である。しかしながら、近代科学が物質世界を主たる対象としているため、 科学の主流の外に置かれてきた。21世紀に向けて、パラダイム・シフトが重要である。そのための科学的研究と様々な 活動を行ってきた。2000年度より科学技術庁傘下の新しい予算が新パラダイム創成のために分配された。その一覧を 付録に示す。本分野の今後の発展のためには、恒常的に本分野の研究を行える専門機関「潜在能力科学研究所」 （仮称）の設立が急務である。「潜在能力の科学」の重要性が益々増してきている。本分野・本学会への益々の学際的、 国際的英知の結集を強く望む。

Keywords:

paradigm shift, human potential, latent power, potential power, qigong, qi, alternative medicine, complementary medicine, traditional medicine

　

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坐禅時の心電図R-R波間隔変動周波数解析

(Power spectral analysis of R-R interval variability during zazen)

　

峯岸　由紀子¹、渡辺　剛²、樋口　雄三³

（Yukiko MINEGISHI¹, Tsuyoshi WATANABE² and Yuzo HIGUCHI³）

¹自治医科大学看護短期大学(日本、栃木)     ²国士舘大学(日本、東京) ³東京工業大学(日本、東京)

　

要旨：

曹洞宗の禅僧7名が40分間の坐禅を行っている間の心電図を連続測定記録し、そのR-R波間隔変動の周波数解析によって、 自律神経活動の評価を試みた。周波数解析の内容は、HF:副交感神経系の活動後、LF/HF:交感神経系の活動度、および1/f^βゆらぎの傾きである。 対照実験として、同じ被験者が正座をして安静状態を保っているが、禅の状態にはならない条件で測定を行った。その結果、HF値は坐禅時の ほうが高値であり、LF/HF値は安静時のほうが高値であったが、有意差はなかった。1/f^βゆらぎの傾きは、坐禅時のほうが穏やかであり有意差があった。精神集中を伴う坐禅時のほうが、 副交感神経活動がより優位であったと考えられる。

Keywords:

zazen, power spectral analysis, R-R interval variability, parasympathetic nervous system, sympathetic nervous system, slope of 1/f^βfluctuation

　

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練功者の生理測定(II)

(Physiological Measurements during Qigong Training(II)）

　

田中昌孝^1,2, 小久保秀之^1,2，古角智子¹, 山本幹男¹, 河野貴美子^3,1，相馬隆郎^4,1

（Masataka TANAKA^1,2, Hideyuki KOKUBO^1,2, Tomoko KOKADO^1,2, Mikio YAMAMOTO¹, Kimiko KAWANO^3,1 and Takao SOMA^4,1）

¹放射線医学総合研究所（日本、千葉）

²未来工学研究所(日本、東京)

³日本医科大学 (日本、東京)

⁴東京都立短期大学(日本、東京)

　

要旨：

著者らは、気功初心者が練功を積む過程で、どの様な生理変化を示すか注目した。そして、気功教室で気功を習い始めて約2ヶ月の 被験者を2年間にわたって生理測定実験してきた。実験項目は教室で行なう足揉み、馬歩站とう功、創美功 (動功の1種)の各々閉眼と開眼 であった。測定項目は呼吸パターン、心電であった。データ分析は2年間の3被験者の呼吸時間と心拍数について練功月数との相関、また、 閉眼と開眼の差について統計的検定を行った。その結果、吸気時間の有意な延長が3被験者の足揉み開眼で共通してみられた。また、他の 実験項目においても吸気時間の延長傾向がみられた。

Keywords:

ECG, HR, respiration time, inspiration time, expiration time, qigong

　

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対人遠隔作用実験における受け手のα波

(EEG Alpha Waves of a Receiver in a Remote Action Experiment）

　

河野貴美子^1,2、山本幹男²、小久保秀之^2,3、田中昌孝^2,3、張 トウ^2,3、デミトリ パルホモチュク²、古角智子²、中村広隆^2,3、相馬隆郎^4,2

（Kimiko KAWANO^1,2, Mikio YAMAMOTO², Hideyuki KOKUBO^2,3, Masataka TANAKA^2,3, Tong ZHANG^2,3, Dmitri V. PARKHOMTCHOUK², Tomoko KOKADO², Hirotaka NAKAMURA^2,3, Takao SOMA⁴）

¹日本医科大学　情報科学センター（東京）

²放射線医学総合研究所（千葉）

³未来工学研究所（東京）

⁴東京都立短期大学（東京）

　

要旨：

日本古来の武道、遠当てにおける受け手の脳波を解析した。遠当てを行う二人 をそれぞれ別室に離し、１試行80秒間内のランダムに指定された時刻に、仕掛ける側 は「気」を発信する。受け手は電磁シールドルーム内にて「気」を感じた時刻（感受 時）を押しボタンで知らせ、送信時、感受時のマーク信号を脳波と共にデータレコー ダに記録した。3試行で1ランとし、休憩を挟んで15ラン、全45試行を行い、送信直前、 送信中、送信直後、感受直前、の4箇所、各5.12秒間の脳波を解析した。その結果、 受け手が気を受けたと思った時刻より、実際の送信時に、前頭部に拡がるα波の出現 がみられ、その前頭α波は後頭α波と位相同期的であった。

Keywords:

EEG, alpha-wave, frontal, alpha-phase synchronization, extrasensory perception

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視覚的イメージ想起時の脳活動に関する一研究

(An Experiment on Cerebral Activity during Visual Imagery)

　

張 トウ^1,2、境田英昭³、河野貴美子^4,1、山本幹男¹、町　好雄³

(Tong ZHANG^1,2, Hideaki SAKAIDA³ , Kimiko KAWANO^4,1, Mikio YAMAMOTO¹ and Yoshio MACHI³ )

¹放射線医学総合研究所（日本、千葉）

²未来工学研究所（日本、東京）

³東京電機大学 （日本、東京）

⁴日本医科大学 (日本、東京)

　

要旨：

気功、瞑想時によく使用されている視覚的イメージ想起による脳活動に関して、特定イメージ（花）想起課題と休息を交互に行う形式で、ｆMRIによる測定を試みた。SPM99による画像解析では、休息時と比較して、イメージ想起の場合、右後頭部のBroadmann17第一次視覚野において、統計的有意な賦活が観察された。

Keywords:

attention, visual imagery, Broadmann 17 area, fMRI

　

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瞑想、イメージ状態を非侵襲的装置（f-MRI）でみると

(The study of meditation and image evocation using functional MRI)

　

上田至宏¹、黒岩共一¹、善住秀幸¹、片野泰代¹、亀　節子¹、樫葉 均¹、武田大輔¹、柳田利雄²、喜多村祐里²、大城宣哲²、時本康絋³、野村　保³

(Yoshihiro UEDA¹, Kyoichi KUROIWA¹, Hideyuki ZENJYU¹, Yasuyo KATANO¹, Setsuko KAME¹, Hitoshi KASHIBA¹, Daisuke TAKEDA¹, Toshio YANAGIDA², Yuri KITAMURA²,Yoshitetsu OSHIRO², Yasuhiro TOKIMOTO³ and　Tamotsu NOMURA³ )

¹関西鍼灸短期大学（日本、大阪）

²大阪大学医学部　情報生理（日本、大阪）

³石川病院　放射線科（日本、姫路）

　

要旨：

イメージによる脳の機能を検討するため刺激強度を変えて合谷を圧迫した場合と、それらと同じ状態をイメージした場合とをfunctional MRI（f-MRI）で測定した。強い痛みをともなう圧迫刺激では両側の２次知覚野と頭頂葉、視床、島などが賦活され、人によっては視覚野も賦活された。その状態をイメージした場合には２次知覚野の信号強度は低くなり、視覚野や側頭葉の強度が増加した。合谷皮膚表面の強いピンチ刺激（激痛）では、圧迫刺激の場合に見られたほどの広範囲な賦活はなかった。左指先から右掌の労宮に気を送る実験では、右感覚野と右基底核の限定された部分が賦活した。瞑想、小周点法も行ったが賦活部位は検出できなかった。

Keywords:

f-MRI、癒し、イメージ、瞑想、脳機能、痛み、視床

　

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気功時のヒトの手における生物フォトンと温度変化

(Biophoton and temperature changes of human hand during qigong)

　

中村広隆^1,2、小久保秀之^1,2、デミトリ V.パルホモチュク¹、陳偉中^1,2、田中昌孝^1,2、張トウ^1,2、古角智子¹、山本幹男¹、福田信男¹

(Hirotaka NAKAMURA^1,2, Hideyuki KOKUBO^1,2, Dmitri V. PARKHOMTCHOUK¹, Wheizhong CHEN^1,2, Masataka TANAKA^1,2, Tong ZHANG^1,2, Tomoko KOKADO¹, Mikio YAMAMOTO¹1 and Nobuo FUKUDA¹)

¹放射線医学総合研究所　（日本、千葉）

²未来工学研究所　（日本、東京）

　

要旨：

全ての生物系からは超微弱強度の光（生物フォトン）が放射されていることが知られている。しかし、気功時の生物フォトン放射の実態は解明されていない。本報告では、気功と生物フォトンおよび皮膚表面温度変化の相関を解明するため、ヒトの手から発する生物フォトンと、放射赤外線による皮膚表面温度の測定を行った。その結果、通常、物質は温度が上昇するとフォトンの放射強度も増加するが、本実験の例では、気功時において皮膚表面温度の低下と生物フォトン放射強度の増加が観察された。

Keywords:

qigong, biophoton, temperature, hand surface, thermography

　

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生体機能維持力と生物フォトン観測

(Sustaining Faculty of Living Functions and Its Biophoton Observation)

　

柳川 勉、坂口 弘征、上野 正博、新田 和男

(Tsutomu YANAGAWA, Hiroyuki SAKAGUCHI, Masahiro UENO, and Kazuo NITTA)

（財）エム・オー・エー 健康科学センター　生命科学研究所　（日本、東京）

　

要旨：

筆者らは、生体の生命力や食品の新鮮さを探る目的で生体の液相部に注目した。植物に傷をつけると、傷口ではなく樹液が光り、樹液が発する生物フォトン数には生体の状態に応じた差があることを見い出した。生体機能維持力の差が生体内の液相発光に現れていると思われる。動物の場合には体液に相当する。人体では、異常部、特に怪我や皮膚疾患など体表面が患部になるものの発光が顕著であった。また、お灸を用いた熱刺激が、人体からの発光を促進することを始めて見い出した。熱刺激後の発光が特に強いことから、フォトン数の差異による人体変化の抽出を試みた。施灸後の生物フォトン観測とサーモグラフィーを用いた体温測定とを併用し、岡田式療病術における施術前後の経時変化を観測した。施術時のフォトン数減少に対し、体温は上昇し、互いに逆相変化を示した。この結果は、単純なエネルギー変化以外の効果が現れていることを示している。

Keywords:

biophoton, thermography, corona discharge photography, sap, body fluid, moxa, natural farming, healing in Okada's manner, image intensifie

　

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[Special Lecture 1]

　

人体からの生物フォトン計測

(Measurement of Biophoton from Human Body)

　

稲場　文男

(Humio INABA)

東北大学名誉教授(日本、仙台)

　

要旨：

生物フォトン発光は、生物界における普遍的な生命現象の一つであり、ミクロ〜マクロの生体系が極めて微弱な光を自発的に放つ現象の総称である。これまで筆者らは、通常肉眼では検知できないような微弱な生物フォトン発光を高感度で、定量的に計測する手法を長年にわたり研究、開発してきたが、本文では特に、種々の生理的条件のもとでの、人体から直接採取した試料および生体表面からの生物フォトン発光の計測と特性検討について述べる。これらの実験結果は、生物フォトン発光が人体の状態に関する有用な医学・生物学的情報をもたらすことを示すものである。ここではまた、非侵襲的な診断手法としての生物フォトン事象の今後の可能性について言及すると共に、気功および経穴(ツボ)や針灸に関連したいくつかの実験結果についても概要を報告する。

Keywords:

ultraweak light emission, biophoton, photon counting detection, two-dimensional photon counting imaging, human body surface, Qi-gong, acupuncture

　

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末梢循環の測定による各種健康法の定量的評価（１）

(Quantitative Evaluations of Health Promoting Methods using Peripheral Blood Flow (1))

　

白水重憲¹、菅野久信¹、野藤泰昇²

(Shigenori SHIROUZU¹, Hisanobu SUGANO¹, Yasunori NOTO²)

¹（財）エム・オー・エー健康科学センター　（日本、福岡）

²（株）アイス (カオス工学研究所)　（日本、福岡）

　

要旨：

津田等は指尖容積脈波のカオス性を見出し、そのアトラクターの形状が被験者の精神的状態や体調の指標となり得る事を示した。今回、定量的な解析を行う為に、アトラクターの形状を特徴付けるパラメータを抽出し、数値化した。更に、各種健康法により、アトラクターの形状が変化する過程の測定を行う為に、アトラクターの連続測定システムを開発した。開発した装置による末梢循環の測定による各種健康法の定量的評価の為の基礎的データを紹介する。

Keywords:

finger photoplethysmogram, health degree, health promoting, aging, mental stress, physical strength

　

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運動および瞑想前後における掌等価アドミタンスの比較

(Comparison of Equivalent Admittance on the Palms Before and After Exercise or Meditation)

　

鈴木　昭二¹, 上杉　一秀¹, 中林　弥生¹, 足達　義則², 清木　泰弌¹

(Shoji SUZUKI¹, Kazuhide UESUGI¹, Yayoi NAKABAYASHI¹, Yoshinori ADACHI² and Yasukazu SEIKI¹)

¹熊本電波工業高等専門学校(日本、熊本)

²中部大学　経営情報学部(日本、愛知)

　

要旨：

掌等価アドミタンスを測定するためのシステムを提案している。等価アドミタンスは手首に交流電圧を加え、労宮のツボから流れ出る電流波形を測定することで決定される。そして、これらの等価アドミタンスは改良された簡単なＣＲ回路によって実現される。提案するシステムによって被験者の状態は明確に観察される。

Keywords:

equivalent admittance, palms, exercises, meditation, Chinese medicine

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マウスおよびラットの病態モデルにおける体力・腫瘍・炎症に対するEQR照射効果

(Effects of EQR Irradiation on Physical Stamina, Tumor and Inflammation Disease Models in Mice and Rats)

　

青木孝志¹、新畑　将²、 新鍋秀幸²、長谷川友彦³、国原峯男³

(Takashi AOKI¹, Susumu ARAHATA², Hideyuki SHINNABE², Tomohiko HASEGAWA³ and Mineo KUNIHARA ³)

¹中部大学・工学部・情報工学科（日本、愛知）

²日本シグマックス株式会社（日本、東京）

²株式会社実医研（日本、群馬）

　

要旨：

EQR(emission from quartz resonance)をマウスおよびラットに照射し、体力、腫瘍および炎症に与える効果を検討した。健常ラットの強制水泳における無動時間はEQR照射により変化しなかった。制限食事ラットを強制的に回転するロータロッドに乗せて落下するまでの時間はEQR照射によって延長した。Sarcoma180腫瘍細胞を背部皮下に植え付けたマウスに対するEQR照射は腫瘍細胞増殖を抑制する傾向を強く示した。ラットの後肢踵皮下にカラゲニンを投与して惹起させた炎症はEQR照射により著明に浮腫抑制が起こった。ラットのadjuvant関節炎モデルにおいて、EQR照射は後肢腫脹と疼痛の軽減は認められなかったが、前肢腫脹、虹彩炎、耳介結節、亀頭炎の炎症病変発現の遅延や随伴病変が消失している個体が認められた。以上の結果からEQRは、おそらく、炎症系、すなわち、広義での免疫系に働いて有効性を発現するものと推定される。

Keywords:

EQR irradiation, physical stamina, tumor, inflammation, edema, animal disease models, immune system

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呼吸法の違いによる脈波形の変化

(Study of Pulse Wave Change for Different Kinds of Breathing)

　

足達義則¹、青木孝志²

(Yoshinori ADACHI¹ and Takashi AOKI²)

¹中部大学　経済情報学部　経営情報学科　（日本、春日井）

²中部大学　工学部　情報工学科　（日本、春日井）

　

要旨：

脈診は中国医学の重要な地位を占めているが、その有効性は経験的であり、脈の安定性や波形変化の根拠については 明確になっていない。また、運動や心理的な影響によって脈拍数が変動することは知られているが、これに伴って波形が 変化するかどうかについては明確でない。本研究では、呼吸法の違いが脈波形に及ぼす影響について検討し、脈診の方法に 関してある程度の指針を得た。

Keywords:

pulse diagnosis, breathing, pulse wave, Chinese medicine

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[Special Lecture 2]

　

解離性障害

(Dissociative Disorder）

　

黄　 �a淑、西松　能子、遠藤　俊吉

(Minshuku KOH, Yoshiko NISHIMATSU and Shunkichi ENDO)

日本医科大学 精神医学教室（日本、東京)

　

要旨：

解離性障害とは過去の記憶、アイデンティティの自覚、直接的に感じられる感覚、身体運動のコントロール等の正常な統合が一部ないしは完全に失われた状態である（ICD-10）¹⁾。解離性障害の代表的な疾患として解離性健忘、解離性遁走、解離性昏迷、トランスおよび憑依障害、多重人格性障害（解離性同一性障害）などが挙げられる（ICD-10）。我々が臨床場面で遭遇した解離性健忘、解離性遁走、多重人格障害の症例を紹介したい。2症例は女性であり不倫相手との離別、配偶者との離婚という性的葛藤を背景に事例化している。1症例は男性であり社会的役割の破綻を防衛するために解離が引き起こされた。いずれの症例も主体性を快復し解離を葛藤の解決にしないことが可能となり症状が軽快した。

Keywords:

dissociative disorder, dissociative amnesia, dissociative fugue, multiple personality disorder (dissociative identity disorder), conflict

　

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リフレクソロジーによる足裏マッサージの生理測定

(Physiological Measurements for Reflexology Foot Massage)

　

町　好雄¹、劉　超¹、藤田　真規²

(Yoshio MACHI¹, Chao LIU¹ and Maki FUJITA²)

¹ 東京電機大学工学部電子工学科（日本、東京） ²マキフジタリフレクソロジスクール（日本、東京)

　

要旨：

リフレクソロジーによる足裏マッサージの効果を生理的な立場から分析 を行った。その結果、被験者はリラックスすると言われているが生理データ上 でそのことが確認できた。この方法は足裏の経穴を刺激したものと考えられる が、生理的にも良い効果が表れていることがわかった。

Keywords:

ECG, Blood Pressure, Respiration, SpO₂, Blood Flow, Carbon Dioxide Density, and EEG

　

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同一人気功師の内気と外気（治療目的）の生理における差異

(The Physiological Differences of One Qi Gong Master's Nei Gong, Dong Gong and Wai Qi (Healing with Qi))

　

劉　超¹、町　好雄¹、張　永祥²

(Chao LIU¹, Yoshio MACHI¹, Yiong Xiang ZHANG²)

¹東京電機大学・工学部・電子工学科（日本、東京） ²気功師養成専門学校（日本、東京）

　

要旨：

本研究は、気功師の治療効果に関わる生理変化を明確にする目的で、気功師の内気功と治療目的の外気功を測定し、気功師の生理データと治療の被験者のデータを分析した結果について述べる。これらの結果から、内功と動功、外気治療方法の生理データから差異があるかどうかを検討した。その結果、次のことが判った： 1.　内功（１０秒）の時の呼吸は動功（２秒）よりも長い。 2.　LF／HFのデータから、気功師の内功時、体の動きはない、つまり静の状態にあるか、体内の自律神経系は大きく変化して動の状態にある。動功時には逆に、体内の自律神経系は静の状態であった。これは、中国で「内動外静」とか「外動内静」と言う気の鍛練における一つの技術である。 3.　気功師が気功治療の目的において、気功中に開眼と閉眼の状態の変化により生理状態に変化があることが判った。 4.　治療の被験者は、治療中に心電図のR点が末梢に伝わった時の遅延時間が減少し、循環が改善されることが判る。

Keywords:

Nei Gong, Dong Gong, accelerated plethysmogram, Wai Qi (healing)

　

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ヨーガの脳画像所見： PETによる研究

(Imaging Findings of the Brain After Performing Yoga: A PET Study)

　

Laxmi Narayan Singh, 遠藤雅俊, 山口慶一郎, 三宅正泰, 四月朔日聖一, 鄭明基、伊藤正敏

(Laxmi Narayan SINGH, Masatoshi ENDO, Keiichiro YAMAGUCHI, Masayasu MIYAKE, Shoichi WATANUKI, Myeong Gi JEONG, Masatoshi ITOH)

東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンター核医学研究部（日本、仙台）

　

要旨：

研究の目的はハタ・ヨーガ時に脳の活性化や抑制がおこっていることをPET装置を用いて調べることである。 7人の熟練したヨガ実践者の協力を得て、15のアサナ（ヨーガの姿勢）を１時間行った。ヨガに先立ち、37 MBq (1 mCi）の¹⁸FDGを経口投与した。その後全脳のPET撮影を行ったデータは統計解析ソフトであるSPM96で解析され、ヨガと対照被検者間 での脳活動の差異を検討した。ヨガ状態では、両側感覚運動野における脳活動の増加が確認された。一方、下及び内側前頭葉、 側頭葉、辺縁系の一部、小脳の広い範囲に渡って活動の低下を示した。結論として、ハタ・ヨーガ後のPET所見はレラグゼーションを 支持するものであった。

Keywords:

PET, Oral FDG, Yoga, Cerebral, Metabolism, Meditation

　

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脳波α波とビジネス成果の関連性研究(その2) (α波と仕事の高成果の好循環の可能性検討)

(A Study on the Relationships between α-waves and Business Performance (Part II) (Focusing on the possibility of a good cycle of the appearance of α- and good business performance))

　

大島章嘉

(Akiyoshi OSHIMA)

ワード研究所(日本、浦安市)

　

要旨：

標記研究その1では、朝α波値が仕事の成果を決めるよりは、仕事の成果が夜α波値を規定する傾向が強いことが 判明している。しかし、詳細にみると朝α波値が高ければ仕事の高成果を生み高成果が夜α波値を高くするパターンも 何割かの確率で発生しているので、この確率を高める要因を探ってみた。実験により成果を上げるためには、(1) 感動的な 成果につながる計画を日々確実に実行すること、(2) 計画を妨害する要因を排除することが大きいこと、特に(1)の要因が大きいことが判明した。

Keywords:

α-wave, business, performance, planning, enjoyment

　

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共鳴カードを用いた知性の共鳴現象の解析(8) −相互作用の空間的異方性−

(Analysis of Intellectual Resonance [or Synchronization] Using a Card Game(8) Influence of Spatially asymmetrical property of interactions)

　

栗田昌裕

(Masahiro KURITA)

東京大学医学部付属病院内科（日本、東京）

　

要旨：

われわれは先の一連の研究で高次の精神活動における共鳴現象を具体的なメッセージに注目して定量的に解析する手法を確立した。その手法では数字や文字のようなデジタル情報が任意の人数の集団でどのような共鳴をどの程度引き起こすかが解析できる。方法の概略は、参加者を着席させて、定められた指示に従って任意に思い浮かぶ情報をカ一ドに記入させ、隣接する者同士での一致の度合い(すなわち共鳴の度合い)をスコアとして与えて確率論的な道具で評価する。この試行をシンクロXと呼ぶ。本研究では隣人同士の一致度に、空間的方位に関する非対称性があるかどうかを調べた。17集団の合計598人で行った51試行のデ一夕を解析した。スコアは隣人同士の座席配置の四方向に従って四つの部分スコアに分解された。四方向とは左右（LR)、右前左後ろ（RO)、左前右後ろ(LO)、前後(AP)である。スコアの合計は2126で、部分スコアはLR、R0、LO、APの順に630、458、470、568となった。部分スコアの理論的期待値は同じ順に571、576、490、489だった。これにカイ2乗分布の適合度検定を施行し、LR=RO=LO=APという帰無仮説は否定された(p<0.03)。より詳細なカイ2乗検定によりLR>AP(p<0.05)、LR>R0(p<0.007)、LR>L0(p<0.02)、LR>AP(p<0.05)、LR>R0(p<0.007)、LR>LO(p<0.02)であることと、RO、LO、APの間こは有意差がないことも示された。以上の結果は、隣同士で座っている人間の間には無意識の相互作用があることと、その作用には空間的な非対称性があることを示唆している。

Keywords:

Synchronization, card game, information transfer, synchro-X, subconsciousness, resonance, seating position

　

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Last Modified: December 28, 2000