Journal of ISLIS, Vol.21. No.1, 2003 Japanese

21巻、1号、2003年3月号

 

Journal of International Society of Life Information Science (ISLIS) 

Vol.21, No.1, 2003
ISSN 1341-9226

要旨 ABSTRACTS & KEYWORDS

 


[Original Research Papers]

Investigation of Anomalous Bio-Magnetic Fields from Human Hand During Qi Emission
Hak-Soo SHIN1, Jung Dae KIM2, Kwang-Sup SOH 2, Byung-Doo KWON3, Sang Yong CHOI 4 , Han Seo KOO4, Seung Chan AN5 and Kun Ho LEE 5
1. Department of Physics Education, Seoul National University (Seoul, Korea)
2. School of Physics, Seoul National University (Seoul, Korea)
3. Department of Earth Science Education, Seoul National University (Seoul, Korea) 
4. Han-Seo Bio-Magnetic Research Center (Seoul, Korea)
5. The Korea Research Institute for New Human Sciences (Seoul, Korea)

Abstract
We measured the bio-magnetic field emitting from palm during Qi emission. Among the eleven Qigong trainees two subjects emitted strong magnetic fields of a hundred nT order during the emitting time interval. We present the real time data and also analyze characteristic features by the methods of variance, windowed Fourier transform, and  wavelet transform. The characteristic frequencies are on a broad band between 0.1 Hz and 4 Hz.

Keywords: bio-magnetic field, qi, qigong; traditional Chinese medicine, variance, Fourier analysis, wavelet transform


[Original Research Papers]

Changes of the Event-Related Potentials during Hypnosis
Xumei WANG1, 2, Mahito KIMURA1, Michio HADA1, Yasunori NAKAJIMA1, Takao MORI 1 and Shunkichi ENDO1
1.Department of Neuropsychiatry, Nippon Medical School (Tokyo, Japan)
2.Department of Psychiatry, China Medical University (Shenyang, China)

Abstract:
Background: In psychology, hypnosis is classified into three stages: movement control stage (stage 1), sensory control stage (stage 2), and memory control stage (stage 3).  However, this has not been verified scientifically.  Therefore, we studied the cognitive ability, event-related potentials (ERPs), during different stages of hypnosis.  Methods: There were two female subjects.  One was of high hypnotizability and the other of low hypnotizability.  ERP was elicited by a two-tone auditory discrimination task, recorded with 28 electrodes.  The Global Field Power (GFP) and the Current Source Density (CSD) of the N100 and P300 components were calculated from the acquired brain waves.  Results: Compared to prehypnosis, the amplitudes of N100 and P300 of the hihgly susceptible subject increased, but there was no difference among the three stages in hypnosis.  For the lowly susceptible subject during hypnosis, the stages 2 and 3.  For the subject with low hypnotizability, we thought that in stage 2 the frontal source had attenuated.  Conclusion: The hypnotic state in a highly hypnotizability subject may be related to a near condition of relaxation, and the hypnotic state in a low hypnotizability subject may be related to a near condition of a tense state.  The selective attention and cognitive ability increased during hypnosis in the highly hypnotizability subject, but decreased in the low hypnotizability subject.  In addition, the disappeared subcomponent of 1 or 6 of N100 components in the low hypnotizability subject may be related to attention shift.  

Keywords: hypnosis, hypnotizability,k event-related potentials (ERPs), current source density (CSD), EEG


[Original Research Papers]

Influence of "Half Food Abstention" on Mice Transplanted with S180 Ascitic Tumor
Wei-guo HUA1, Wei-zong CHU1, Xian-yong LIU 2, Hui-ju CHEN1 and Yu-ying WANG 1
1. Shanghai Qi-Gong Institute (Shanghai, China)
2. A postgraduate of SHUTCM in 2001 (Shanghai, China)

Abstract:
According to the characteristics of energy metabolism of tumor, we examined the effect of "Ban-Pi-Gu" on 182 mice transplanted with S180 ascitic tumor. "Ban-Pi-Gu" is a half dietary restriction, and it includes changes of formulary diet too. The result was obviously prolonging mean surviving days (P<0.05-0.001), improving living quality and decreasing blood sugar level.

Keywords: Ban-Pi-Gu (BPG) (half dietary restriction), ascitic tumor, mean surviving day, living quality, blood sugar level


[Original Research Papers]

発気課題時における手掌および前額正中部の皮膚表面温度変化
陳 偉中1,2、張 彤2、濡木 淳子2、王 鳳桐 2、原口 鈴恵2、小竹 潤一郎2、小久保 秀之 2 、山本 幹男2
1. 千葉大学 自然科学研究科 多様性科学専攻 (日本、千葉)
2. 放射線医学総合研究所 (日本、千葉)

要旨:
気功の生理測定において、気功鍛練者の発気手の母指球部位における皮膚表面温度ならびにそれと前額正中部表面温度との相関性に関する解析的な研究はこれまでほとんどされていない。本研究では、母指球でも発気できるという気功鍛練歴約40年の熟練者の発気課題時における手掌および前額正中部の皮膚表面温度変化を測定・解析した。その結果、発気手の母指球と前額正中部との間に、発気課題期間の真中の1分間における平均温度変化率については有意差(p<0.01)と強い負の相関(r= - 0.91)があったことを初めて明らかにした。しかし、左右労宮の間には有意差と相関が見られなかった。また、発気課題と対照課題期間の真中の1分間における平均温度変化率を比較した結果、右手の母指球(p<0.05)と前額正中部(p<0.001)部位においては有意差があり、通常に発気部位と考えられている人差し指と左右の労宮においては有意差がなかった。

Keywords: consciousness concentration, Qigong, Qi-emission, skin surface temperature, thenar eminence, central portion of forehead, laogong, first finger, correlation coefficients 



[Proceedings] Without Peer Review

第6回新科学国際シンポジウムとソウルの研究機関訪問

山本幹男1, 河野貴美子2
1. 山本生体放射研究室, 放射線医学総合研究所 (NIRS) (千葉, 日本)
2. 情報科学センター, 日本医科大学 (東京, 日本)

要旨:
第6回国際新科学シンポジウム (Minaisa Club主催) 参加のため韓国ソウルを訪問。ソウル大学、延世大学、Pochon CHA代替医療大学院、三星(サムソン)総合技術院、韓国脳科学研究所などの研究機関を視察し、韓国の潜在能力や代替医療関連の研究者との交流を深めた。

Keywords: The 6th Chui-san International New Science Symposium, Minaisa Club, Seoul National University, Yonsei University,
Pochon CHA University, Samsung, Korea Institute of Brain Science, human potential science, CAM, alternative medicine



十次式健康法による治療の生理効果
町 好雄1、劉 超1、河野貴美子2
1. 東京電機大学・大学院工学研究科(日本、東京)
2. 日本医科大学・情報科学センター(日本、東京)

要旨:
メノー派足寄キリスト教会に属する十次式健康法の治療における効果について施術者と患者2名の双方の生理的な測定を行なった。この治療は気の力を利用した治療と言われているが、我々は以前に測定を行ったが今回はさらに精密に測定を行なった。それで、我々の生理測定を使って気を分析する技術を用いこの方法の解明を行なった。生理計測を行なうことでこの方法を解明することを行なった。その結果、施術者が背骨付近を手で数度たたく治療(本当に打つのではなく、気のパワーを与える)により自律神経系に影響を与えることがわかった。1人の20才台の男性患者は心電図のデータから、副交感神経系が優位になっている患者であった。また、もう一人は70才台の女性患者で交感神経系が強くなっている患者と考えられる。この治療によりそれぞれ患者は良い方向に変化していることが認められた。また、両者とも背中を叩く治療の前の直前に、R点電位が変化を始めていることが確認された。これは、すでに気の治療を受けていて、背中を打つ必要がないのではないかと考えられる。多分、これが気の治療と考えられる。

Keywords: autonomic nervous activity, EEG, R point voltage, Qi, Blood flow, Thermograph



十字式健康法における脳波からのアプローチ
河野貴美子1、町 好雄2、劉 超2
1.日本医科大学 情報科学センター(日本、東京)
2.東京電機大学(日本、東京)

要旨:
背骨の歪みをすばやく矯正することにより、全身の健康を実現するという健康法実施中の施術者と受け手における脳波の同時測定を行い、主として施術前後の安静閉眼時における解析を行った。後頭中央部に対する前頭中央部のα波平均振幅比(Fz/Pz)は、施術者においては安静時からすでに大きく、施術をイメージした時には明らかに大きくなった。受け手は施術前の方がこの比が大きい傾向があったが顕著な差はない。集中を表す後頭に対する前頭α波の位相ずれ時間は、施術者では施術直後の安静時に短く、施術における集中が窺えたのに対し、受け手は受ける前の方が集中している様子であった。α波の周波数は施術者、受け手共に施術後に速くなり、施術による動きやイメージに伴う脳の働きの影響が示唆された。瞬間的な施術がもたらす受け手への直接効果、また施術中も含めた両者の脳波の経時的な検討は今後の課題と考えられた。

Keywords: EEG, a-frequency, frontal a-wave, healing, spine adjustment



[特別講演 1]
脳波・functional MRIの同時測定とその応用

穴見 公隆1、張トウ3、森 健之1、小林 由佳1、田中 富美子2、松田 博史2、斎藤 治1
1.国立精神・神経センター武蔵病院 精神科(日本、東京)
2.国立精神・神経センター武蔵病院 放射線診療部(日本、東京)
3.放射線医学総合研究所(日本、千葉)

要旨:
脳波とfunctional MRIを同時連続測定することによって、さまざまな脳波現象、例えばα波、睡眠spindle、あるいは事象関連電位やてんかん発作波などに相関する脳局在を明らかにすることができる。しかしながら、同時測定をおこなうと脳波上にballistocardiogramや1000μVから2500μVにものぼるimaging artifactなどのアーチファクトのために脳波信号を得ることができない。そこでわれわれはMRスキャナからのアーチファクトの周波数が生体信号の周波数帯よりもかなり高いところにあると想定し、サンプリング周波数20kHz、ローパスフィルタのcut-off周波数3kHzで同時測定中の脳波上のアーチファクトを測定した。そこで明らかになったことは、アーチファクトの波形がFaradayの法則に則り、もとの傾斜磁場波形の微分形になっていることである。したがってこの原理に基づけば、傾斜磁場の形をかえてやることでアーチファクトの形をコントロールすることが可能となる。われわれは、激しいアーチファクト波形中の上下動の中で、つねにアーチファクトが1msの一定周期で基線付近にもどってくるようなfMRIシーケンスを開発し、脳波のデジタル・サンプリングが常にその基線付近で行われるようなシステムを開発し、imaging artifactを低減することを試みた。この方法をstepping stone sampling法(飛び石サンプリング法)と呼ぶ。



対人遠隔作用における受信者弁別力指標の推定
小久保秀之、原口鈴恵、小竹潤一郎、世一秀雄、陳偉中、張トウ、王鳳桐、濡木淳子、古角智子、福田信男、山本幹男
放射線医学総合研究所(日本、千葉)

要旨:
筆者らは過去数年にわたり、対人遠隔作用における受信者の各種生理反応と、送信動作時刻と受信動作時刻の時間差を研究してきた。本研究では、信号検出理論を用いて、対人遠隔作用実験における受信者の信号弁別力の指標を推定した。実験は1試行10秒とし、受信者は送信者からの信号の有無を判断した。熟練武道家4人(男性3人、女性1人)を被験者として計1280試行実験した結果、全的中数は668試行(p=0.0588, 片側)となり、受信者の弁別力指標d'の平均値は0.092で、95%信頼区間は [0.167, 0.016] であった。このことから、対人遠隔作用の信号の有無の弁別は、通常の感覚刺激の弁別に比べて非常に困難であることが確認された。

Keywords: signal detection theory, ROC, discriminability index, toh-ate, direct mental influence with living system (DMILS), parapsychology, Shintaido, martial arts



自律神経に及ぼす外気の効果−施術者の熟練度による効果の違いについて−
内田誠也、上野正博、菅野久信、新田和男
(財)エム・オー・エー健康科学センター(日本、静岡)

要旨:本研究の目的は、外気施術者の熟練度と施術を受けた被験者の自律神経機能との間の相関について研究した。施術者は3群に分けられた。グループA(n=10)の施術者は、医者および鍼灸師、看護師の群であり、グループB(n=12)は診療所や在宅ケアでボランティアとして施術を行なっている群、グループC(n=7)はグループAおよびグループB以外の群である。健康な被験者がグループA(n=23), B(n=18), C(n=14)の施術者より外気を受けた。HFおよびLF/HFが外気照射前中後に関して被験者の心電図のR-R間隔をWavelat変換で解析して求められた。対照実験として、うつ伏せの状態(n=19)と座った状態(n=12)のHFおよびLF/HFが解析され、外気による変化と比較された。その結果、グループAの施術を受けている最中HFが有意に増加し、その変化はグループCの変化より有意に効果であった。

Keywords: automatic nervous system, parasympathetic nerve, external Qi, MOA purifying therapy, LF, HF



少林内功試行における熟練度が生理的反応に及ぼす影響
李 強1、松浦義昌2、坪内伸司2、李 啓明 3、清水教永2
1.日本中医推拿研究会(日本、大阪)
2.大阪府立大学総合科学部(日本、大阪)
3.北出病院(日本、和歌山)

要旨:本研究は、少林内功試行における熟練度が生理的反応に及ぼす影響について、未熟練者と比較し検討した。対象者は、57歳の少林内功修練年数40年以上の熟練者1名と、22〜26歳の少林内功修練年数1年未満の者4名でいずれも健康な男性である。少林内功試行中の主な生理的指標は、心拍数、酸素摂取量、呼吸数、呼吸相、酸素飽和度、総Hb量、末梢皮膚血流量及び下肢筋電図とした。熟練者の試行時末梢皮膚血流量は、安静時に比べ10%〜25%減少した。未熟練者の脳酸素動態は、顕著な変化が認められなかった。下肢筋伝図は、熟練者については大腿直筋についてのみ筋放電が認められた。未熟練者では、大腿二頭筋についても放電が認められ、異なるパターンを示した。呼吸数及び呼吸相についても、熟練者と未熟練者間で、異なるパターンを示し、呼吸法の相違が認められた。以上のことから、熟練者と未熟練者における下肢参加筋群の違いから、少林内功の姿勢維持には熟練が必要であることが示唆された。つまり、少林内功試行の熟練度を反映する生理指標は、呼吸パターンと下肢筋の筋放電パターンであると結論づけられる。

Keywords: Shaolin Internal Qigong, level of skill, respiratory pattern, EMG, peripheral skin blood flow



心身統一合氣道における正面打ちの生理効果
町 好雄1、劉 超1、藤平光一2、石崎俊明 2、浜岡 勤2、古田土節夫2
1. 東京電機大学大学院電子工学専攻科(日本、東京)
2. (財)氣の研究会(日本、栃木県市貝市)

要旨:心身統一合氣道において正面打ちという護身術があり、誰かが打ち込んでくるのを一瞬早く察知して防御を行なう。これは気であると言われているがこの気とはどのようなものかを生理的な方法で調べた。その結果、脳波的には前頭葉に電位が強く表れ集中した状態に入っており、何かを察知するとさらにその電位の上昇と前頭葉での活動領域が広まっていることがわかった。また生理データにもGSRやR点電位に表れていることが分かり、実際にはまだ打ち込んでいないにも係わらず、約3秒前にそれらに変化が表れていることを示した。

Keywords: physiological measurements, frontal lob, EEG, GSR, R-point voltage



トロイダルコイルの発生する波動がマウスの強制水泳等に及ぼす影響の波動強度・時間依存性
吉田勝志1、青木孝志2、足達義則3、吉福康郎 4
1.中部大学教養教育部(日本、愛知)
2.中部大学工学部(日本、愛知)
3.中部大学経営情報学部(日本、愛知)
4.中部大学先端技術研究センター(日本、愛知)


要旨:
ゲイジ場発生装置が放出する波動ETC (emission from a toroidal coil system) をマウスに照射し、照射群(3mA群、5mA群)と対照(非照射)群との間のスタミナ差を検討した。餌の量が不足した状態で、量の変化はマウスの直腸温によく反映した。無動時間は、直腸温が低下すると増加する傾向を示し、直腸温の最も低い11日目に最も増加した。無動時間の平均値は、今回実施した5分間の照射時間では3群の間に統計的な有意差を生じなかった。先の報告と合わせて検討した結果、低下した体力に効果的な照射時間は10分以上であると推察される。電流依存性は、照射時間の不足から明らかにできなかった。直腸温の上昇は、マウスの死体では生じず生体で生じた。これは、ETCがマウスの自律神経系に作用することを意味する。

Keywords: ET irradiation, animal swimming test,k rectal temperature, physical stamina



ラベンダーの匂いのAT-cut水晶振動子による検出
青木孝志1、藤井隆司1、足達義則2
1.中部大学工学部(日本、愛知)
2.中部大学経営情報学部(日本、愛知)

要旨:
ラベンダーの匂いの検出のための基礎的研究として、ラベンダーの匂いに暴露した水晶振動子の電気的特性(インピーダンス および共振周波数 )の変化の振舞いを検討した。AT-cut水晶振動子の表面にラベンダ感応膜として漆を塗布した。これを空気中で飽和したラベンダの匂い分子に暴露したときの の変化率はΔZ/Z は、最大で4.5×10-2であった。しかしf の変化率は2.8×10 -7以下と考えられた。本実験結果は、f の変化ではなく、Z の変化からLavender Fragrance Detectorができる可能性を示唆した。

Keywords: lavender fragrance, aromatherapy, quartz resonator, japan (Urushi)



エネルギー照射水、水晶などを使用したヒーリングによる腫瘍消失、症状改善2症例報告
西本真司
西本第2クリニック(日本、和歌山)

要旨:
代替・補完両方での治療の選択枝が欧米では広がりをみせ、診療率も高まってきている。日本の現状としては、現存西洋医学的な治療が一般的で、手術、薬剤、放射線などがまず行われることが多い。 今回、代替・補完療法として、エネルギー照射水、水晶など使用したヒーリングで、まず症状が消失し、外科的な処置をせずに腫瘍が消失した症例を2つ報告する。前回の報告では、脳波や気流変化を中心に疼痛が改善したものを報告したが、何故、腫瘍消失までの改善がみられたかを考察、報告したい。

Keywords: qigong, energy therapy, pain reduction, tumor improvement



明晰夢:実験的検討と心理的条件
渡辺恒夫
東邦大学 理学部 心理学教室

要旨:

明晰夢(夢の中で夢であることを気付く夢)が実際に生じることが、実験的に検証された。4名の被験者が、夢見ていると気付いた時に夢の中で特定の公道をとることにより、ポリグラフ上に観察しうる合図を送り出すことに成功したのだったうち2名はレム睡眠中に、他の2名は段階1中に合図を送信した。次に、明晰夢の起こる心理的条件を発見するために、明晰夢に関する質問紙を作成し、「アイゼンク人格目録」および「菅原の自意識尺度」と共に大学生を対象として調査を実施した。その結果、明晰夢経験頻度と人格特徴の間にはいかなる有意な関係も見出せなかったが、自意識尺度中の「私的自意識」の得点との間には、有意な正の相関が見出された。この結果は、多くの人々が、その人格特徴のちがいにかかわらず、私的自意識を日常生活の中で強化するような訓練を積むことによって明晰夢を見る能力を高めうるということを、示唆するものと思われる。

Keywords:
lucid dreaming, poligram, questionnaire, Eysenck Personality Questionnaire, Self-consciousness Scale, private self-consciousness



遠隔送気における送信者と受信者との対応
樋口雄三、林 義貢、張 永祥、樋口博信
1.東京工業大学(日本、東京)
2.武蔵野治療センター(日本、埼玉)
3.東洋気功総合療術院(日本、東京)
4.東北大学医療技術短大(日本、仙台)

要旨:
中国の高名な気功師、張永祥老師の協力を得て遠隔送気時における送信者と受信者との対応関係について同時ビデオ撮影により検討した。送信者は中国沈陽市郊外の公園から30分間遠隔送気し、受信者が約35km離れた沈陽市内のホテルで受信した。最初、気功師が送気を始めても受信者は何ら応答せず、送気7分20秒後に右手の指が動き、10分後に右手を回す動作がみられ、その後右脚が動き出し、左脚も同時に激しく振動し始めた。気功師の遠隔送気停止後もこの振動は継続したが、序々に弱まり10分30秒後に停止した。遠隔送気により受信者は何らかの情報を受け取っており、それが受信者にしばらく残存する現象が認められた。 

Keywords: remote qi emission, video recording



外気功を併用した統合医療にて腫瘍の縮小を認めた3例について
福岡 明1、小山 悠子1、福岡 博史1、上田 恵里子 1、山本 光祥2、貴田 晞照3、吉村 ひろ子 4
1. 医療法人明徳会福岡歯科統合医療研究所(日本、東京)
2. 山本記念病院(日本、神奈川)
3. 貴峰道協会(日本、東京)
4. 株式会社海光(日本、東京)

要旨:
〔目的〕外気功を含めたCAMを積極的に併用することによって、腫瘍の縮小を見た2例について報告する。
〔症例J〕 A.F. 76才 ♂ 歯科医師 結腸腫瘍  自覚的症状無くB.D.O-ring Testにて下行結腸に腫瘍の共鳴あり。内視鏡検査、組織検査にて同部に2.5cm程度のTubular Adenoma(Group3)を確認。その後、約2ヶ月外気功を含めたCAMの併用後、腫瘍が約1cmに縮小し、内視鏡的切除を可能に
した。
〔症例K〕 M.Y. 59才 ♂ 医師 転移性肝内腫瘍  排便異常、体重減少を主訴。内視鏡検査にて、大腸悪性腫瘍(ClassN)、画像診断により肝への転移を認める。大腸腫瘍切除手術後、約9ヶ月間、化学療法を施行。その後、外気功を併用し、画像診断により、肝転移性癌腫瘍の縮小傾向良性化が認められた。
〔症例L〕 T.S. 42才 ♂ 会社員  脳動脈瘤 1999年8月2日交通事故の後遺症にてMRI・脳血管造影により動脈瘤2ヶ所を認めた
外気功の併用にて動脈瘤の縮小、血流の改善をみた。〔結論〕以上、外気功を併用し、経過良好の3症例について報告する。

Keywords: Colonic Tumor, Metastatic Intrahepatic Tumor, Cerebral Aneurysm, B.D.ORT,
Ki Therapy, Goshinjo Therap, Supplement, Tumor Reduction



[特別講演 2]
特異功能の生理測定(念写における生理と物理的な測定)

町  好雄、 劉 超
東京電機大学大学院工学研究科(日本、東京)

要約:

特別な能力者王強は手元から離れた所にある、特製の封筒に入れてある紙に字を書き込む実験を行った。すなわちこの能力者は念じるだけで封筒の中の紙に記入した。我々は、この時の生理測定と物理的な測定を行なった。残念なことに、このような現象は今までの概念では出来ることではないが、我々は何回も実験を行なってきた。その実験毎に次第に難しくしてきたが、今回は物理的な実験も合わせて行なった。彼女がどのようにして成功したかについてはまだ、説明できない。そこでこの報告は、生理的な立場と物理的な立場で、どのような現象であるかを調べたものである。その結果、生理的には呼吸を制御して、自律神経系の調整を行なっていることが分かった。脳ではこの現象を実行できたと考えられる時間に、右前頭葉と右頭頂葉に通常より強い脳波電位が瞬間的に表れることが分かった。この瞬間に封筒の中に書き込んだものと考えられる。

Keyword: EEG, ECG, autonomous nervous system, writing pressure, Direct thought-graph, expanding thought-graph



2002ロシア研究状況視察報告
山本幹男、小久保秀之、世一秀雄、河野貴美子
1.放射線医学総合研究所(日本、千葉)
2.日本医科大学(日本、東京)

要旨:筆者らは2002年11月11日−20日まで、モスクワを訪問し、関連研究機関の視察・研究交流、学会・セミナーへの参加・発表を行った。これまで、日露間の研究情報の流通はあまり活発ではなかった。しかし、ロシアには日本や欧米に無い独創的な研究がある。日本の研究を一層発展させる上でも、ロシアとの国際協力や研究交流が必要不可欠である。

Keywords: Russia, research trend, anomaly, parapsychology, bioextrasensorics



手首の磁石刺戟にともなう体溫變化に關する硏究
具泰會*1,3, 申尙勳2, 尹吉源2, 具翰書 1, 朴玟用3
1. 翰書生體磁氣硏究院 (韓國, ソウル)
2. 三星綜合技術院 (韓國, 京畿道)
3. 延世大學校, 電氣電子工學科 (韓國, ソウル)

要旨:
私たちは, 人体に一定の磁場を形成させることが局部的体溫の變化に統計的に有意な影響を及ぼすことを調べてみた. 31人を對象に右側の手首の列缺穴(LU-7, N極)と太淵穴(LU-9, S極)に永久磁石(2000Gauss)あるいは対象物(偽磁石)を装着し, 兩足部の溫度 變化を測定した. 溫度が一定な室內(25℃以下)で, 対照實驗の場合は25分後80%が測定部位の溫度が-0.5℃より下降したが, 磁石實驗では被験者の48%が-0.5℃より下降したことが觀察された. 対照實驗では測定部位の溫度が0.5℃以上上昇した事例はなかったが, 磁石實驗では25分後被験者の12%が0.5℃以上上昇したことが觀察された.

Keywords: magnetic field, body temperature, permanent magnet, LU-7, LU-9, SP-4, KI-6



予知のメカニズムに関する一考察
奥 健夫
大阪大学 産業科学研究所(日本、大阪)

要旨:
本研究では、相対性理論・量子論・不確定性原理の観点から、予知のメカニズムに関する一考察を行なうことを目的とした。人間の意識のメカニズムは、現代物質科学では解明されていないと考えられるため、ここでは人間の意識が存在する意識場を仮定した。この意識場は光速で未来の時空間に移動し、未来の時間に生じる事象を感知し、その後負のエネルギーにより維持された微小サイズのワームホール通過により過去に戻る。意識場は原子で構成される物質ではなく、ある特定の超高周波振動数を有する微細な波であるためにワームホール通過が可能であると考えられる。予知のメカニズムは、時間と空間が調和した量子重力理論の完成によって、より説明可能になるであろう。

Keywords: precognition, time, consciousness, wormhole, theory of relativity, quantum theory, space, velocity of light, uncertainty principle, negative energy, universe



生命エネルギーのメカニズムに関する一考察
奥 健夫
大阪大学 産業科学研究所(日本、大阪)


要旨:
本研究では、相対性理論の観点から、生命エネルギーのメカニズムに関する一考察を行なうことを目的とした。人間生命体は、超高度な複雑系原子配列調和物質であるが、その自己組織的存在は負のエントロピー的性質を示している。ここでは、人間の生命エネルギーのメカニズムとして二つのモデルを提案した。第一のモデルはν>mc 2/h(1-v2/c2)1/2、で表される高周波数νを有する微細な波であるモデルであり、第二のモデルは、微細波の運動が光速を越える負の時空間に属し負のエントロピーを有するモデルである。今後さらに詳細なメカニズムの検討が期待される。

Keywords: life energy, consciousness, qi, time, theory of relativity, quantum theory, velocity of light, uncertainty principle, negative energy, universe



裸眼立体視と変動磁場を併用した視力回復法の長期効果
古賀義久1、栗田昌裕2
1.日本理工医学研究所(日本、長崎)
2.群馬パース学園短期大学(日本、群馬)

要旨:
過去のわれわれの研究により変動磁場や裸眼立体視訓練による視力改善効果が示された。その効果を別な集団で再検討し、両者を併用した際の長期効果を検討した。 [方法] 対象は栗田式視力回復法講習の成人受講者10名。1週間に一度ずつ10回集まって訓練を行なった。奇数週は「3分間後頭部磁気照射」(以下、磁気照射)、偶数週は「裸眼3D視」(以下、3D訓練)を行い、訓練前後で視力を測定し、5週ずつの平均値をデータとして使用した。 [結果] 以下平均値で示す。左右裸眼視力は、磁気照射では0.40→0.51となり0.11増加(28%増加)、3D訓練では0.42→0.51となり0.09増加した(21%増加)。左右矯正視力は、磁気照射では1.04→1.23となり0.19増加(18%増加)、3D訓練では1.06→1.28となり0.22増加した(21%増加)。裸眼視力と矯正視力のいずれでも、前後差と前後比に関して磁気照射と3D訓練の間には有意差を見なかった。十週間の長期効果は以下の通り。両裸眼視力は0.18→0.66と改善(0.36増加)。倍率の平均値は2.36倍、平均値相互の倍率は2.18倍だった。両矯正視力0.78→1.71と改善(0.92増加)。倍率の平均値は2.25倍で、平均値の倍率は2.19倍だった。 [考察] 磁気照射と3D訓練には即時視力改善効果があることと、両者の効果には有意差はないこととが再確認できた。両者を併用して10週間訓練すると、視力が長期的に改善することが示された。

Keywords: Free stereo view, 3D vision, eyesight, speed reading, eye movement, Kurita's super-reading system, varying magnetic field



脳波α波とビジネス成果の関連性研究(その6)(これまでの研究成果のまとめと日々目標値を持つことの効果検討)
大島章嘉
ワード研究所(日本、浦安市)

要旨:
標記テーマでこれまでに当学会に5回にわたり実験成果を発表してきている。仕事の成果とα波を定量的に測定する作業は1995年以来進めてきており、各種の知見が得られている。
@成果向上要因に何があるか、Aα波測定値増大要因に何があるか、B今後の研究課題に何があるかについてこれまでのまとめを行った。これを踏まえて日々の目標値を持つことが成果につながるか否かの検証実験を行った。

Keywords: α-wave, training, business, performance, planning,target



皮膚電気活動発現機序に関する考察−皮膚電位と皮膚インピ−ダンス−
白井喜代子、山本尚武、奥田博之
岡山大学医学部保健学科(日本、岡山)

要旨:
皮膚電気活動(EDA)は、ひとの情動活動や自律神経活動を手軽に捉えられるものとして良く知られている。EDAの測定には皮膚抵抗、皮膚インピーダンス、皮膚電位を利用したものがある。近年は皮膚電位〔皮膚電位水準(SPL)および皮膚電位反射(SPR)〕がよく用いられている。しかし、SPRには各種のパターンがあり、皮膚電位の発現機序についても十分解明されていない。そこでこれらに関する検討を行った。SPL測定には、角質層の剥離を伴う基準電極の設定が求められる。これは若干の侵襲性を伴うため、剥離作業の不十分性が測定結果の不正確性をもたらすことになり易い。そのため、剥離に伴う皮膚インピーダンスの低下度とSPLの低下度との関係を明らかにし基準電極の構築に必要十分な剥離を、インピーダンスによって確認すれば合理的であり、その方法を提案した。さらに、環境温度との関係で各種体表部EDA測定を行い、温熱性発汗と精神性発汗との関連
性について考察した。

Keywords: formative mechanism, electrodermal activity, skin potential activity, skin impedance change, standard electrode, EDA model



加速度脈波で測定した太極拳などによる効果
木戸 眞美
東北学院大学教養学部 情報科学

要旨:
加速度脈波の測定から、年齢に対する末梢血液循環動態の評価分布を求めたところ、それらの間に負の相関があることや、特に中高年層では運動などを含む生活スタイルによると思われる差が大きい事を見出した。また、太極拳の効果が脈拍をわずかに減少させ、末梢血液循環動態を良くする事が加速度脈波の測定から分かった。これは、弓道やソフトテニスとは異なる明らかな傾向である。また、末梢の血流が太極拳後に増加することは単一矩形パルス法による測定でも確かめられた。さらに、同一被験者における日常生活での動作別や精神作用などによる末梢血液循環動態の時間変化を測定し、興味ある結果を得た。

Keywords: acceleration plethysmogram, blood circulation states, pulse rate, Tai Chi Chuan, single square voltage pulse method, Japanese archery, soft-ball tennis



イメージ想起による脳波・脈波変化とカオス解析
奥 健夫1、渡邉映理2、広崎真弓2、福田早苗 2、白川太郎2
1.大阪大学 産業科学研究所(日本、大阪)
2.京都大学大学院 医学研究科(日本、京都)

要旨:
本研究では、印堂、壇中、丹田に太陽光が入射し身体を満たすイメージを被験者に想起させた際の、脳波及び脈波の変化を測定し、カオス解析によりイメージ想起の効果を調べることを目的とした。実験の結果、イメージ想起時に脳波徐波化が観察され、被験者によっては、θ波やα1波が著しく増加し、脈周期の減少及び脈強度の増大が見られた。カオス解析の結果、イメージ想起時に脳波のリアプノフ指数が減少した。これらの結果は、イメージ想起時にニューロン活動に基づくニューロカオス現象が生じ、副交感神経の活性化につながることを示唆していると考えられる。

Keywords: EEG, brain waves, meridian point, imagery, pulse waves, chaos, entropy, Lyapunov exponent, visualization, meditation



エルゴメーター運動に際しての脳活動の研究
Sabina khondkar1、藤本敏彦, 山口慶一郎1 、Mehedi Masud1、T R.Santos1, 四月朔日聖一 1 , 伊藤正敏1
1. 東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンター核医学研究部,
2. 東北大学医学系大学院病態運動学分野

要旨:
ヨガを行うことにより脳の代謝が部分的に低下することを報告したが、運動自体の効果が混入している可能性が残った。そこで中等度の運動が脳へ及ぼす影響をFDG-PET法を用いて評価した結果、脳は、運動に関連する脳部位の活動を除いて、全脳的かつ局所的に代謝が低下することが判明した。しかし、ヨガで認められた帯状回での代謝の低下は、見られなかった。

Keywords: 18F-FDG, PET, brain metabolism, exercise, ergometer cycling



閉息呼吸法による大脳皮質の活動状態の変化
沈 再文、伊藤智子、朝山正己
中京女子大学 健康科学部

要旨:
調息は気功鍛錬の重要な基礎の一つである。閉息呼吸法は気功による調息法の一種で、多くの気功功法に応用されている。かつて、われわれは、閉息呼吸法を行なった時、手、足の皮膚温が著しく上昇したことや脳波や脈拍の変化から、全身の血液循環がよくなっていることおよび大脳が深いリラックス状態に入っていることを示した。本研究は、光トポグラフィ脳機能計測装置を使って、熟練者の閉息呼吸法実行時の大脳皮質の血液量の変化による大脳の活性状態を観察した。その結果、閉息呼吸法の実行により、前頭葉の血液量の増加、後頭葉の血液量が減少することを示した。このことから、以前の実験結果と併せて、閉息呼吸法によって前頭葉にα波ないしθ波の出現がみられたこととの関連性や大脳の活性化などの関係について検討を行なった。

Keywords: Qigong, Bi Xi breathing exercise, optical topography, oxygenated hemoglobin, deoxygenated hemoglobin, frontal lobes



気功課題時心電R−R間隔の変動と脳波α波/θ波平均振幅との相関について
張 彤1, 陳偉中1, 福田信男1, 世一秀雄 1, 河野貴美子2,1, 小久保秀之1,山本幹男1
1.(独立行政法人) 放射線医学総合研究所(日本、千葉)
2.日本医科大学 (日本、東京)

要旨:
気功中に前頭部の脳波徐波化傾向及び光トポグラフィによる脳血中各ヘモグロビン成分の変化に関して、前回に報告した。本研究では、同一被験者の心電R-R間隔の変動およびそれと徐波成分の振幅との相関について分析を行った。心電R-R間隔の分析では、気功時において、LF/HFが有意に増大した(p<0.001)ことに対し、HF/TP(total spectral power)が有意に低下した(p<0.005)ことがみとめられた。一方、脳波の分析では、α帯域に関して、対照時に比較し、前頭部位(Fp1)、左後頭部(O1)、さらに両側側頭部(T5, T6)において、気功中の平均振幅が有意に増大し(p<0.001)、しかも実験中α波平均振幅の変動は心電R-R間隔のLF/HFとの間に強い正の相関があることがみられた。θ帯域についても、右頭頂(C4)、側頭部域(T6)において、類似した結果がみられた。気功時に呼吸頻度が低下する(0.1Hz前後)ことから、気功中呼吸の制御による自律神経系に対する働きかけによって、主観的意識状態の変化をもたらす可能性が示唆された。

Keywords: qigong meditation, respiratory sinus arrhythmia (RSA), LF/HF ratio, breathing rate, alpha activity, theta activity



食品が持つ活性酸素消去能力のフォトンカウンティングによる検討
足達義則1、青木孝志2
1.中部大学 経営情報学部 経営情報学科(日本、愛知)
2.中部大学 工学部 情報工学科(日本、愛知)

要旨:
活性酸素によって老化が促進し、癌などの病気につながるが、人間にはもともと活性酸素分解酵素(SOD)などがあり、これによって活性酸素を除去するという機能が備わっている。しかし、生活環境の悪化やストレスによって処理能力以上の活性酸素が発生する時代になり、SOD様食品が注目されるようになってきた。本研究では、活性酸素が除去される時の発光を測定し、コーヒーや豆乳等の流動性食品の活性酸素消去能について検討し、コーヒーに非常に強い消去能を認めた。

Keywords: reactive oxygen, SOD, photon, hydrogen peroxide, food



栗田式速読法中級クラスを受講した160人の心身機能の変化
栗田昌裕
群馬パース学園短期大学

要旨:
栗田式速読法は1987年に提唱され、1991年から一貫した内容の指導が始まった。以来、2002年までに405クラスが終了し、1万3千人以上の受講生の詳細なデータが蓄積されて来た。心身相関を活用して、1万3千人以上の受講生の詳細なデータが蓄積されて来た。心身相関を活用して、文字情報の従来の入力・処理・出力を、「分散入力、並列処理、統合出力」と呼ぶ新方式にパラダイムシフトさせるのがその訓練方法の要点である。本研究では、週1回、五週間の中級速読法の講習を通じて知的機能を含む心身の機能がどのように改善されたかを調べた。対象は2001〜2002年に、5週間に5日間かけて行なわれた4クラスの成人参加者160人である。読書速度の初級での初速は916字/分、中級での初速は平均6886字/分であったが、最後は平均56991字/分となった。初級初速を基準とした読書倍率は平均63.7倍、中級初速を基準にした読書倍率は11.3倍になった。計算速度(1分間にできる一桁加算の個数。作業効率の指標)は平均98点から114点となり、平均17%の効率アップを示した。迷路抜け速度(20秒間に抜ける単位迷路の個数。認知力の指標)は平均21点から36点になり、1.7倍となった。身体の元気度の指標、および指回し運動の敏捷性と巧緻性も改善した。5週間という短期間におけるこの成果は、周辺視野から潜在意識への経路を活性化し、情報処理の新しいパスウエイを確立して知的活動度を高めることで生じた。本研究の結果から、栗田式初級速読法に続けて中級速読法の訓練を行なうことで、一般成人においてさらに著明な能力上の変化が生ずることが示された。

Keywords: Kurita's speed reading, information processing, subconsciousness, intellectual function, reading speed, work efficiency, potential ability, intelligence development


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Last Modified: March 12, 2003