International Society of Life Information Science (ISLIS)

Human PSI Forum
「潜在能力の科学」国際フォーラム
千葉市 幕張 OVTA(オブタ)

特別招待講演・特別招待発表・基調講演

2002年8月21日更新

詳細プログラム

 主会場:レセプションホール渚(海外職業訓練協会OVTA、2階)
 オープニングカクテル:ラウンジ(OVTA、5階)
 懇親会場:ホテルスプリングス幕張(OVTAより徒歩5分)


特別招待講演

(2002年8月24日)

ビデオ講演

「スピリチュアル ヒーリング(心による癒し):その科学の現状」

 ウエィン・B・ジョナス博士、シンデイ・クロフォード & ロナルド・A・チェズ 

(Dr. Wayne B. JONAS, M.D., Cindy CRAWFORD, B.S. & Ronald A. CHEZ, M.D.)
 米国 サミュエリ情報生物学研究所,  所長 研究助手 副所長  (1 元 米国 国立衛生研究所(NIH) 国立補完代替医療センター(NCCAM) 所長)

 この講演は、スピリチュアルヒーリングに関連する主要5領域において、科学的知見の量的側面と質的側面を紹介する。また、下記の事項にも触れる。

  1. 宗教的・精神的実践の健康への影響
  2. 助けの祈りと治癒の祈り
  3. 心−物質間相互作用の研究
  4. 生命システムに対する直接的精神作用
  5. 機器を使わない「エネルギー」療法
  6. 臨床現場におけるヒーリングの影響 
 さらに、この調査研究から示唆されるスピリチュアルヒーリング、エネルギー医学、意思力の研究の今後について議論する。

ウェイン・B・ジョナス博士の紹介:
 米ノースカロライナ州のバウマン・グレイ医学校卒。アメリカ家庭医学会会員。陸軍軍医としてドイツに滞在中、ホメオパシー、生体エネルギー療法、心身療法、病床宗教教育などの教育訓練を受けた。ワシントンのウォルター・リード陸軍研究所で免疫学や毒物学を研究。米国の生物・医学の研究と予算配分機関である国立衛生研究所(NIH)の代替医療局(OAM)(現在の国立補完代替医療センター: NCCAM)の局長となり、代替医療分野の研究配分予算を大幅に増加させた最大の功労者である。博士は、補完代替医療に関する優れた研究データの収集と評価、その情報の伝達・普及に努め、今後医療が進むべき新しい方向を示し、それは日本国内の医療をめぐる動向にも大きな影響を及ぼしている。


特別招待講演

(2002年8月24日)

全体的治療における心と体の関係

 全 世一 教授(Sae-il CHUN, M.D.)

 韓国 Pochon CHA 大学 代替相補医療大学院 院長

 ともに西洋医学、東洋医学でも最大の目標は病気を無くし健康な状態を保つことにある。現在、西洋医学は科学的取り組みを取るのに比べ東洋医学はまだ人間性重視の取り組みを保持している。5千年の伝統医療はまだ治療法の分野で21世紀の現代科学医療に挑んでいる。“病気優先”の西洋医学は人間のおかれている状態を“病気”と“無病”の状態とに分類する。しかし“健康優先”の東洋医学は“健康”と“不健康”の状態とに分ける。普段の健康を保つためには5つの原則が強調されている。それらは、
 1)正しい食生活、2)正しい運動、3)十分な睡眠、4)正しい呼吸、5)健康な心
不健康な状態を健康な状態へ逆転するには以下のような方法が有効である。
 1)天然薬療法、2)運動療法、3)刺激療法 (鍼治療、灸治療、指圧、吸角治療、など)
病気を排除するには4つのアプローチ、すなわち
 1)化学的、2)身体的、3)心理的、4)外科的、な治療が使われている。
 多くの伝統的な医療があり,隠れた民間医療、そして多種のあまり認められていない治療法や説が存在する。その幾つかは東洋文化に由来し、また他は西洋文化から由来している。西洋医学の専門家は客観的に科学的方法によってだけ明らかに証明された情報だけが、(従来の)西洋医学として認められると主張している。それ以外のすべての医学的治療と健康法は、ひとくくりに“代替医療”または“相補医療”と呼ばれている。WHOによるもっとも新しい健康の定義は“健康とは身体的、心理的、社会人間的、そして霊性的な健康を含んだものである”。代替医療はこの新しい健康というコンセプトを扱う上で、より多く広い範囲での方法論を提供している。
 東洋医学と代替医療は人間性重視の取り組みを用いて人全体を癒すという共通の特徴を持っている。すなわち、“人を癒す”ということは“有機体の病気を治療する”ということだけではないのである。心は感情、知識、意識、直観、そして魂という要因から成っている、その一方で体は形、強さ、エネルギー場、生命力、そして遺伝という要因から成っている。これら心と体の10の要因に調和がとれ、お互いのバランスがとれている時、治癒機能は最大のレベルにまで活性されている。同じように、健康はこれらすべてが調和されているときにしか達成されないものである。

全世一教授の紹介:
韓国で初めてできた代替・相補医療大学院(Pochon CHA 大学 代替相補医療大学院)の院長を勤める。
会長:Korean Society of Alternative Medicine
会長:Korean Jungshin (Qi氣) Society
副会長:Int'l Soc. Phys. Rehab. Med.


特別招待講演

(2002年8月24日)

ケストラー超心理学講座の研究計画および意識の研究

ロバート・L・モリス教授 (Prof. Robert L. MORRIS, Ph.D.)


 英国 エジンバラ大学 心理学科 ケストラー超心理学講座

 ケストラー超心理学講座(KPU)は一部の個人の未確認感覚運動機能による環境との交流能力の組織的かつ信頼性の高い研究を行うために、1985年に設立された。もしこのような能力が存在するのであれば、人間の意識と心の本質について、精神世界の一面に重要な意味合いを投げかけることになる。一つ以上の新しい機能が働いているかもしれない。それは物理学の新側面を切り開くだけでなく、心と物質の間の直接的相互作用に新しい意味をもたらすかもしれない。
 私達の講座の研究は3つの主要分野を含む。一つめは身体的要因の研究、なぜならそれらが脳と心の能力に影響している可能性があるため。二つめは心理的経験の研究、経験をどのように解釈しているか、どのような状態がそれらの経験に役立つのか、どのような認識過程が含まれているのか、そしてどんな心理学的説明がこのような経験につけられるのか。三つめはこのような経験が、哲学的に、人に、そして社会全体にもたらす意味合い。もしこのような経験を見極めるには、少なくとも12通りの解釈がある。偶然、不適切な観察、観察の誤解釈、不適切な記憶、隠れた身体的要因、自己をだますこと、他人からの詐欺、情報処理の機能的誤認識、情報処理の生物学的誤認識、十分に理解されていない身体的要因、現在知られていない自然の処理過程、そして超自然な原因。最初の10は現在の科学的知識を含む。11つめは超心理学から生ずる新しい種類の知識、そして12つめは可能な超自然効果、つまり科学が調査しきれないものである。
 上記の一部として、私達のいくつかの研究は人がどのように信念を作り、保持するのかということを含む。そしてそれは信じているものに対し極度に達すると機能障害を引き起こす信念も含む。上記に加え、幾つかの私達の研究は心霊現象の純粋な例であると思われるものも取り扱っている。例えば、私達は遠くから他人の覚醒度や意識集中度を変化させられる人の能力を研究する。 また、軽い感覚制限状態にある人が離れたところにあるモニター画面に映し出された鮮明な映像に影響されるという能力も研究する。この実験はいずれも私達の研究所以外でも明るい見通しの結果が出ている。また後者の方法は、創造力の高い人において、特に強力な結果が出ている。
 これらの結果を総合的にまとめると、私達には従来の物理学、生物学、心理学の範囲を超えて環境と相互作用できる能力があることが示唆される。これはすべての関わっている機能がさらに全面的に理解されるまで、私達自身に対する知識と意識の性質の知識はとても不完全なものとしてありつづけるであろう。

ロバート・L・モリス教授の紹介:
 米ピッツバーグ大学卒業後、米デューク大学にて比較心理学研究で学位を得る。さらにライン研究センターで超心理学を学んだ。動物の社会的行動、欺瞞・意思決定・実行力の心理学、異常体験の心理学などに関心をもち、現在は主として心理学的側面から超心理現象を研究する。デューク大学、J.F.ケネディ大学、南カリフォルニア大学で教鞭をとった後、1985年にエジンバラ大学超心理学口座の初代教授に着任。現在、13人の超心理学博士課程の大学院生を指導するかたわら、シェフィールド大学、コベントリー大学、ノーサンプトン大学の客員指導官も勤める。教授の下で学んだ多くの学究徒が世界で活躍している。米国応用科学会評議員、英国応用科学会心理学部会長。元超心理学会会長。英国心理学会マイヤース賞、超心理学会貢献賞を受賞。和食の好きな親日家でもある。


特別招待講演

(2002年8月24日)

中国の人体科学の現状と展望

 徐 蘭許 教授(Lanxu XU, President)

 中国 中国人体科学学会 理事長

 中国科学院の院士である銭学森は、「特異功能」は「人体科学」の重要な一部分であると提起した。中国は、特異功能について20年にわたる研究の歴史がある。
 特異功能の学術的客観性について、大論争が起きたことがある。その争点は特異功能現象の信憑性であり、一部の学者は常軌を逸したものだ、自然科学の原則を逸脱したインチキ、マジック、トリックなどといって批判した。一方、一部の学者はこれを真摯に受け止め、何度も繰り返し研究した。彼らの多くは、科学的観察と使い得る限りの科学的手段を用いて測定・研究し、その結果、特異功能は認めざるを得ない客観的事実であるとの結論に達した。また、特異功能について多くの規則性を観測した。
 人体は、開放的かつ複雑かつ意識をもったマクロシステムである。気と経絡は、人体というマクロシステムに隠された重要なパラメータであり、特異功能現象を深く研究することは、人体をさらに深く理解し、人体の潜在能力をさらに開発し進歩させる力となる。それは21世紀の科学革命を触発するきっかけとなり、量子力学や相対性理論以上に意味深い科学革命となるかもしれない。
 本講演では、さまざまな特異功能現象のうち、特異感知(ESP)についてその規則性と興味深い研究結果とを述べ、さらに、特異功能のメカニズム研究における大胆な仮説−たとえば、功能態説、類電磁場説、多次元空間説−について、簡単に紹介する。

徐蘭許教授の紹介:
1937年中国山東省生まれ。1960年吉林大学理論物理科卒業。60−62年中国科学院「宇宙電波研究班」にて学習。85−95年黒龍江大学校長。教授。現在:黒龍江省政府科学経済顧問委員会副主任、ハルビン商業大学商学院院長、中国人体科学学会理事長。


特別招待講演

(2002年8月26日)

気功外気の実験的研究

 劉 天君 教授

 中国 北京中医薬大学 教授

 気功の基礎科学研究の一部として、1980年代、外気(気功外気)の実験的研究が盛んに行われ、社会的注目を集めた。本報告は、最近10年間の気功および外気の実験研究約170件を分析・評価する。本報告は、実験科学の観点からは、気功外気の客観的実在を肯定する確証が未だ得られていないことを述べる。しかし、確証が無いことは否定を意味しない。研究においては、実験科学で確証されていないものは、前科学、あるいは人々に理解されていない科学、あるいは疑似科学と呼ぶべきであろうが、だからといって、すべてが疑似科学というわけではない。これまでの実験が気功外気の存在を実証する基礎として十分でなかっただけであり、否定を意味しない。現在のところ、外気の存在を否定するには実験的基礎が十分でない。本発表では、2種類の外気の定義と、外気の実験的研究を促進する5つの方法を取り上げる。定義の1つは、気功外気はよく訓練された気功実践者の身体から非接触的方法で送信される生物学的作用力の1種というものである。5つの手段には、二重盲検法の適用、多重対照実験の推進、誤差分析などを含む。

劉天君教授の紹介:
北京中医薬大学の教授。気功研究の専門家。

 


特別招待講演

(2002年8月26日)

丹羽療法20年の歩み − 1) 天然の生薬活性化の秘訣 2) 優れたBiological Medicineの紹介 3) ステロイドフリーの免疫抑制剤軟膏は強力な発癌性がある

 丹羽靭負

 医療法人 修命会 土佐清水病院 院長

 演者は20年前長男を急性骨髄性白血病で昇天させてしまった。1年3ヶ月のchemotherapyの結果,chemotherapyの副作用で,この世の最高の地獄絵をみて昇天した。抗癌剤,ステロイド剤は生命を救わない,苦しめて死亡させてしまう,といって今ある漢方薬,健康食品などの自然回帰的な治療も人を救えない。爾来20年副作用のない天然の生薬の加工方法や効果をあげる方法を研究し,多額の資金を投入して10年ぐらい前から,副作用のない漢方的なものや自然回帰の治療法を,可成り効くようにして,完成し,現在,全国の1千~ 2千人にあまる進行・末期癌,重症膠原病,更に数千人の重症アトピー性皮膚炎患者さんを治療し,95%は副作用のない漢方的なもので優れた治療効果をあげている。私の生薬の加工方法の秘訣やその生薬や治療方法を紹介し,更に最近"ステロイドフリー"のキャッチフレーズのもとに使用され始めた免疫抑制剤"T"剤がアトピー性皮膚炎の治療の外用剤として使われ始め,日本を始め,世界25ヶ国に及んで使われている。私の発癌実験の結果,NK cellを叩いて移植臓器を生かすために癌への免疫力が落ち,マウスに大量に皮膚癌が発生した。実験結果とこのメカニズムを紹介する。

丹羽靭負先生の紹介
 1962年、京都大学医学部卒業。京都大学医学博士。丹羽免疫研究所所長。土佐清水病院院長。発癌の大きな原因の一つである活性酸素とその防御酵素であるSODの研究を臨床家として世界的にも最も早く手掛けた世界的権威。"Blood"をはじめとする著名な英文国際医学雑誌に50以上もの研究論文を発表し、国際医学専門誌(Biochemical Pharmacology)への投稿論文の審査員でもある。ベーチェット病やリウマチ、アトピー性皮膚炎や数多くの癌の治療・研究に長年従事。

 


特別招待発表

(2002年8月25日)

脳機能画像(fMRI)による予感の研究

ディック・J・ビールマン教授 (Prof. Dick J. BIERMAN, Ph.D.)

 オランダ ユトレヒト大学 超心理学講座教授、アムステルダム大学 心理学科助教授

 この研究は予想の神経基礎を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)によって調べたものである。10人の被験者は48枚の画像が呈示されている間、それをずっと眺めていた。各刺激系列は、予想の測定前と測定中に、4.2秒間の凝視点の呈示で始まった。同じく4.2秒間の刺激画像の露出の後、被験者が刺激呈示から回復する期間として8.4秒が与えられた。実験の結果、視覚野の大部分が平穏画像時に比べて、情動画像の後により活発になることが分かった。差異の見られた全ての脳領域は、扁桃体またその近傍領域を除いて、平穏画像にも反応した。ここでは暴力的画像と性的画像は反応を発生させるが、平穏画像に対する反応は変化が少ない。予想効果はベースラインの値に影響しやすく、そのため反応値にも影響する。
 これは、被験者が次に現れるであろう映像の種類を推測している場合には問題になるが、適切なランダム化が行われていれば理論上、推測は不可能である。映像の種類のランダム化は差し替えと共に慎重になされ、また各刺激呈示には異なった画像が使われた。 適切なランダム化にも関わらず、結果は情動画像の呈示前の先行活性化は中立画像の前のそれよりも大きかったことを示した。男性被験者では性的画像の前にこの効果が現れ、女性被験者では性的画像と暴力的画像の前にこの特異な効果が現れた。 この「予感(presentiment)」とも呼ばれる明白な異常について、考え得る説明を検討する。最も有り得そうな可能性は、この効果が、多くの可能な分析方法の中から適切な分析方法を正しく「釣り上げた」からだ、というものだ。情動刺激と平穏刺激に対する反応の差異の効果について、探索的な結果を報告する。

ディック・J・ビールマン教授の紹介:
 元々は物理学者であり、結晶表面への高速イオン注入の研究によって学位を得たが、その後、変性意識状態における意識的あるいは無意識的な情報処理過程の問題に研究を展開するようになった。現在は、睡眠学習、直観と情動、特異的な心一物質相互作用を研究しており、特に、刺激に先行して生じる予知的な生理反応を精力的に追及している。欧州における特異現象研究・超心理学研究の先導的研究者として知られている。2000年10月に行われた第5回科学的探索学会(SSE)欧州会議をコーディネートした。また、インターネット上で、オンライン超心理学講座も開設している。


特別招待発表

(2002年8月26日)

地球規模の注意集中と物理エントロピーとの相関の探索的研究

ディーン・ラディン博士 (Dr. Dean Radin, Ph.D.)

 ノエティック・サイエンス研究所 首席研究員

 

 乱数を常時発生させ続ける物理乱数発生器(RNG)が世界各地に配置されている。この乱数発生器同士の相関現象を調査した結果、2001年で最も大きな相関(一日平均)を検出した日は、2001年9月11日であった。その日は驚くべき量の世界的注目が、前例のないアメリカへのテロ攻撃に伴って発生した。この偶然をより一般的に解明するために、世界的規模のニュースが報じられた日の乱数発生器の出力結果(相関現象の測定値)と平穏な日の値との比較が一年間行われた。
 予測は相関現象の存在を支持し、結果は統計的にも有意なものであった(p=0.004)。独立の物理乱数システムが観察されたエントロピーの同期的揺らぎは、多数の人が注目する出来事と密接な関わりがあるかもしれないことを示唆する。これらの観察結果に対する一つの解釈は、心と物質は基本的に結びついているということである。

ディーン・ラディン博士の紹介:
 ノエティック・サイエンス研究所(米カリフォルニア)の首席研究員。20年近くにわたり、プリンストン大学、エジンバラ大学、ネバダ大学、インターバル・リサーチ・コーポレーション、SRI インターナショナルそしてベル研究所において、サイ現象の実証研究を産学両背景の元で行ってきた。1988, 1993, 1998年に超心理学協会(Parapsychological Association)の会長に選ばれ、180以上の論文、技術報告書、章を出版している。賞を受けた彼の著書「The Conscious Universe」(1997, ハーパーエッジ)は、フランス語や韓国語に翻訳されており、さらにドイツ語、中国語、ロシア語への翻訳が進行中である。

 


 

基調講演(2002年8月24日)

21世紀は統合医療になる

 渥美 和彦

 日本学術会議 会員
 東京大学名誉教授
 日本代替・相補・伝統医療連合会議 会長

 20世紀の科学の時代は終わり、21世紀の人類が共存する時代に入りました。今、東西医療の障壁を乗り越えて新しい統合医療の道を歩む必要があります。この目標を達成するためには、今後も西洋医学が中核的存在としてその実践を展開するだけでなく、代替・相補・伝統医療との融合的・発展的な協調による全人的な医療システムを築き上げる必要があります。

 

基調講演(2002年8月24日)

代替相補療法とイチローの打撃

 帯津良一

 帯津三敬病院 名誉院長

 西洋医学がただ肉体に焦点を合わせているのに対し、代替相補医療(CAM)のほとんどは、心と精神に迫ろうとする。CAMは、人の生活全般に力を与える方法と言える。CAMの基本的特徴は、Salutogenesis の概念で説明できる。Salutogenesis とは、私たちは、「健康な状態」と「病気の状態」の間のどこかに位置するという考えである。これは西洋医学の概念とは全く異なっている。西洋医学は、私たちに「健康である」とか、あるいは「病気である」とか、ラベルを貼ろうとする。私たち、病気の完全な治癒や奇跡を夢見ながら、CAM と共に、少しずつ前進することができる。この講演では、ホームランをあきらめない一方で、常にヒットを打とうとするイチローの打撃になぞらえて、CAM の基礎的な性質をお話しする。

 

基調講演(2002年8月24日)

外気功には暗示以外の何かが有るか

 山本幹男 ほか

 放射線医学総合研究所 上席研究員

 外気功とは、気功師や武道家が非接触で自分の体の外の他人、生物や物体に影響を与えると言われている現象を指す。非接触でも、他人の体を揺らしたり病気を治したりできるとも言われている。非接触の外気功に関し、暗示効果以外何かが有るのか無いのかを検証する厳密な科学的実験法を模索し試みている。本報ではその一部として、二重盲検試験、無作為(ランダム)化、統計解析の手法で、離れた別室に居る相手を動かす「遠当て」の実験、気功師の手からの送気の一般情報遮断状態での感知実験、気功師による培養細胞の増殖能力回復実験について報告する。本研究は科学技術振興費「多様同時計測による生体機能解析法の研究」(1995年度から5年間)の一部として行われ、その後、−新パラダイム創成に向けて−試行的研究プログラム「多様計測による特殊生体機に関する研究」(2000年度から)の一部として継続されている。

 

基調講演(2002年8月24日)

21世紀のニューパラダイム

 佐古 曜一郎

 国際生命情報科学会 理事

 21世紀は現状のパラダイムのままでは立ちゆかないと思われる。20世紀は効率最優先の、物質的な欲求を追い求める時代であった。21世紀はそんな時代と決別し、「心」を最優先とする、精神的な充足に寄与する科学技術を構築すべきである。その中心的な研究テーマが、再現性や客観性だけでは捉えきれない「心、精神、霊性、意識」に関わる研究である。本講演では、特異的な現象や人間の潜在能力に関わるいくつかの実験データを紹介し、21世紀の科学技術の進むべき方向性を考える。

 

基調講演(2002年8月24日)

特異功能の生理分析(透視と薬のビン抜けと移動)

 町 好雄1・劉 超・王 強・王 斌

 1 東京電機大学、教授

透視実験を行い、各種の生理測定を行い、透視という現象がどのような状態であるかを測定した。その結果、交感神経系を活発にしておいて、瞬間に副交感神経系を強めていることがわかった。この時には、首と額における血流が増加していることが分かった。さらに血圧の増加も見られ、血中酸素濃度が減少することも分かった。このような能力を発揮する時にはGSRのデータ中に振動現象が見つかった。この現象が表れる時は脳波トポグラフから視角野と前頭葉が活発になりそれらの場所の電位が瞬間的に上昇し、2ケ所の場所の活動が接がっていることが観測された。特に前頭葉では右脳側の活動が高くなった時に生理が大きく変化することがわかった。
 また、能力者が手を触れないで物体を移動するという実験を生理測定により計測を行った。透視と同様に、能力を発揮すると血中酸素濃度が減少し、その直前で首における血流が増加するのは同様であった。能力を発揮している時間は手、足の温度が減少した。能力を発揮した瞬間の時間に、呼吸状態が変化していた。GSR中に見られる振動現象はこの実験でも確かめられた。この振動周波数は1.4Hzで脳波的にはδ波の領域であった。
 脳波トポグラフィで調べると、筋電のような脳波が時々見られ、可能性のある場所では短時間ではあるがδ波が強く現れた。このδ波は左前頭部と側頭野の中間で発生し、それが左後頭部まで活動範囲が広がった。このδ波の活動電位が最も高い所で物体が移動したと考えられる。この活動領域は透視が右脳であったのに比べて逆であった。またこの薬を移動するときの活動電位は、通常の電位に比べて大きな電位であった。

 


ご質問、ご意見はフォーラム事務局へ: iri@nirs.go.jp

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