(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.25, No.2, pp.226-232)
極微弱生物光による非接触ヒーリング標準評価法の基礎的検討
−J値の正規性、およびヒーリング効果と熱・遮光効果−
- 小久保 秀之、山本 幹男
国際総合研究機構 生体計測研究所(日本、千葉)
- 要旨:
- 白いぼきゅうりの切片に対して、非接触ヒーリング(いわゆる手かざし)を行うと、施術した試料の発する極微弱生物光の発光強度が増大する。筆者らは、この現象の測定法をより確実にするために、1)効果の指標として導入したJ値(実験試料と対照試料の発光強度比の対数)の妥当性、2)発光強度測定に影響しうる系統的偏差要因、3)手の熱、影、およびその複合効果、の3点を検討した。検討には既に得られているデータの他に、新たな追加実験データを用いた。結果、J値は正規分布に従っており、指標として妥当と考えられた。試料の発光強度のばらつきや乾燥速度・集光率の違い、温度変動、背景雑音変動、遅延光の影響、感度ムラという系統的偏差要因は十分に小さく、測定結果に重大な影響を与えないと考えられた。ヒーリング群のみ実験試料と対照試料の発光強度の間に有意差があり(Wilcoxon符号付順位和検定, p = 6.5x10-7)、またヒーリング群が J= 0.142であったのに対し、他の群はいずれもほぼJ=0であったことから(分散分析、p=0.03)、手かざしヒーリングの効果は、手の熱や影によるものではないことが確認された。
- Keywords:
- ヒーリング、バイオフォトン、白いぼきゅうり、手かざし、熱、遮光
[Selected Abstracts of 23rd Symposium of Life Infromation Science]
(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.25, No.2, pp.249)
世界観と理論〜本流科学の世界像はなぜダメなのか
- 石川 幹人
明治大学情報コミュニケーション学部 教授(日本、東京)
- 要旨:
- 科学的な研究方法では、予測可能性が高い実用理論が重んじられる。その理論構築は実証的なデータや事実にもとづいてなされるはずであるが、じつは、暗黙の世界像によって方向づけられている。こうした世界観と理論の関係を平易に解説する。
- Keywords:
- 科学と宗教、データと理論、モデル、唯物論、心身問題
(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.25, No.2, pp.249)
からみあう心たち 〜超心理の世界観
- 石川 幹人
明治大学情報コミュニケーション学部 教授(日本、東京)
- 要旨:
- 演者が邦訳出版したラディン著『量子の宇宙でからみあう心たち』の第3部:理論編にそって、超心理の諸理論を紹介し、ラディンが重視する量子論的・全体論的世界観を解説する。あわせて超心理の理論に必要な要件の整理、他の世界観との比較、将来展望などを行なう。
- Keywords:
- 超次元、共鳴、観測理論、情報システム、ホログラフィー
(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.25, No.2, pp.250)
意識の世界が脳波でどこまでわかるか
- 河野 貴美子
日本医科大学 情報科学センター (日本、東京)
- 要旨:
- 現在の科学では簡単には説明がつかないと思われる現象の多くが、人間の意識が大きく関わるような問題である。意識の根源のすべてが脳にあるかどうかはともかく、意識に一番深く関わる器官が脳である以上、現象を探るために、脳の計測をまず試みようとすることは当然であろう。さまざまな非侵襲的な脳機能計測のうち、そのときの意識状態を一番乱すことなく計測できるのは、現時点では脳波と考えられるが、さて、では脳波で意識の世界がどこまでわかるのだろうか。そもそも意識とは何であり、脳の構造とどのように結び付けて考えたらいいのだろうか。今までの計測事例と脳の科学から、考えてみたい。
- Keywords:
- 脳波,
波, 前頭葉, 変性意識, 脳の階層構造
(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.25, No.2, pp.250)
超常的現象の背景に何があると考えるか
- 小久保 秀之
国際総合研究機構 生体計測研究所(日本、千葉
- 要旨:
- 一般に超常現象と呼ばれる現象にはさまざまな種類があるが、同じような現象に異なる名前がつけられ、全く違った受け止め方をされている場合がある。これは現象が複雑なせいだけでなく、それを語る人の文化的好みや時代背景が異なるせいもある。ここでは、そのような解釈の異なる例と、その背後にある考え方を論じる。
- Keywords:
- 超常現象、超心理学、観念、概念、文化
(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.25, No.2, pp.251)
鍼刺激による脳の細胞新生促進作用などの可能性
- 玉井 秀明
自治医科大学大学院医学研究科博士課程 麻酔科学・集中治療医学講座 麻酔科学部門
(日本、栃木)
- 要旨:
- 鍼治療は、古代より東アジアの医療の中で様々な疾患に対する重要な治療法として行われてきました。近年、徐々にその科学的根拠が示され、それに伴い西洋諸国への急速な広がりを見せています。各種の神経障害に対する鍼治療の応用にも期待が高まっています。今回、自治医大で研究し海外発表した鍼刺激による脳の細胞新生促進作用と中枢神経障害に伴う重大な症状である意識障害と筋緊張に対する鍼治療の可能性について発表致します。
- Keywords:
- 鍼治療、細胞新生、脳、中枢神経障害
(J. Intl. Soc. life Info. Sci. Vol.25, No.2, pp.251)
量子モナド論を理解するための三つの視点
−システム,意識,脳−
- 要旨:
- 量子モナド論を理解するために三つの視点−システム、意識、脳−から解説する。物理学者が対象とするシステムは全宇宙の中から恣意的に切り取ったシステムであり、それ自体また任意に分割可能なものである。神経ネットワークとしての脳はまさしくこのような分割可能なシステムであり、ここに一体性を持った意識を載せることは出来ない。意識を理解するために恣意的分割によらない固有のシステムとしてのモナドの概念が必要となる。また一方量子物理には,古典物理と異なって、システムの勝手な分割を許さない構造があり、これがモナド概念に結びつき、量子モナド論が生み出される。脳に意識があるとするなら、脳には神経ネットワークとしての古典的機械以外にコヒーレントな量子機械が同居していなければならない。
- Keywords:
- 量子,モナド,システム,意識,脳
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Last Modified: December 4, 2007