第3代会長挨拶

 

「潜在能力の科学」研究による
21世紀へのパラダイム・シフト


(Paradigm Shift towards the 21st Century through Human Potential Science)

 21世紀をあと4か月で迎える。本学会は21世紀への科学技術のパラダイム・シフトを目指し設立された。この重要な任務をもつ本学会が、8か国に会員を擁す順調な発展を示し、学会誌も創刊以来完全に定期発行されており、主催する「生命情報科学シンポジウム」も第10回を迎える事が出来た事は、誠に意義深い。会員とご協力・ご支援くださった方々に深く感謝の意を表したい。

 20世紀の科学技術は、主として、意識・精神・心から独立した、客観的物質世界を研究対象とするというパラダイム(枠組)を築き、その内部では大きな成果をあげてきた。

 反面、意識・精神・心が関与する様々な現象の研究は、ほとんど予算が配分されず、その結果として積極的に研究されずに大きく取り残されており、21世紀の研究対象分野である。

 この分野には、気功、瞑想、笑い、音楽、香り、森林浴など、人間のリラックス、予防医療、健康の維持増進、癒しや自然治癒力など人間の「潜在能力」と深く係わっているものが多い。

 さらに、この分野には20世紀の科学技術のパラダイムの成果の延長では説明がつきそうもない人間の「潜在能力」に関する不思議な現象が存在することが論文などで報告されている。しかし、その機構・原理は全く解明されていない。

 これらの現象、効果、機構や原理の学際的・国際的英知を集めた解明が重要である。これが広く、人間の潜在的能力の開化と21世紀の科学技術と文化の新パラダイムを生みだし、教育、健康、福祉と社会および個人の心の豊かさの増進をもたらし、生き生きとした生活の実現と犯罪の低減、平和な世界の実現、本格的高齢化社会の医療費の低減などに貢献することが期待される。

 NIHを始め、幾つかの国で既に本分野に予算を配分している。日本でも2000年より科学技術庁関連の新たな予算が配分されるようになった(詳細は本号拙文参照)。本学会が提唱している、恒常的に本分野の研究を行える「潜在能力科学研究所」の設立が急務である。

 本分野の国際連帯の重要性も益々増してきている。本分野・本学会への益々の学際的・国際的英知の結集を求む。

 国際生命情報科学会 会長  山本 幹男


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Last Modified : October 14, 2000
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